■AMEDが設立式典
わが国における医療研究の司令塔を目指し、今月から発足した国立研究開発法人「日本医療研究開発機構(AMED)」は3日、都内で設立式典を行い、本格的なスタートを切った。看板の除幕式には安倍晋三首相や甘利明健康・医療戦略担当相らが参加。職員を前に訓示した安倍首相は、「人々の生活を幸せにする新たなイノベーションがAMEDから誕生することを大いに期待している」と、新たな門出にエールを送った。
今月1日に発足したAMEDは、米国の国立衛生研究所(NIH)を参考に、日本の医療研究の司令塔を担う“日本版NIH”として設立された。今後、各省庁からの一元化予算を活用し、医薬品や再生医療の研究、癌や認知症等の分野で、基礎から実用化まで一貫して推進していく。初代理事長には、元慶應義塾大学医学部長の末松誠氏が就任し、職員約300人体制でスタートした。
設立式典で職員に訓示した安倍首相は、「医療分野は人間の生活に直接関わるもので、誰もが健康な人生を望んでいる。癌や認知症など、人生において直面する様々な困難な病気を克服していく上で、AMEDが果たすべき役割は大きい」と述べ、「人々の人生を豊かにする、幸せにする新しいイノベーションがここから誕生することを大いに期待している」と、エールを送った。
甘利担当相も「大学や研究機関、企業など、様々な機関から構成員が集まった。今後は、その出身機関を指導していく立場になる。ここから日本の医療革新の夜明けがスタートする」と語り、オールジャパンで取り組んでいく体制に期待を寄せた。
AMEDが取り扱う今年度の研究開発関連予算は、総額1248億円を計上。医薬品創出、再生医療、癌などの分野を一元的に扱う戦略推進部が、産学連携部や臨床研究・治験基盤事業部など5事業部と連携しながら予算を振り分け、九つの研究プロジェクトに取り組んでいく。
具体的には、創薬ターゲットの同定に関する研究や革新的医薬品の開発、iPS細胞等を用いた再生医療の早期実用化を支援するほか、癌医療の実用化を目指す「ジャパンキャンサープロジェクト」、認知症やうつ病の治療法を探る「脳とこころの健康大国実現プロジェクト」等について、2030年までの中長期目標に基づいて事業を進める。