「イグザレルト」と「アイリーア」が成長を牽引
バイエル薬品株式会社は4月7日に東京で記者会見を開催し、2014年の売上高は、対前年12.4%プラスの2491億円となったことを発表した。
バイエル薬品株式会社 代表取締役社長
カーステン・ブルン氏
2013年の16.5%プラスに続く2年連続の二けた成長となった。成長を牽引したのは、新規経口抗凝固薬の「イグザレルト(R)錠」と眼科用VEGF阻害剤の「アイリーア(R)硝子体内注射液」だ。イグザレルトの2014年の売上高は約403億円、経口抗凝固薬市場における金額シェアは40.1%を占め、市場をリードしている。アイリーアの2014年の売上高は約274億円、マーケットシェア(2015年1~2月累計の数量ベース)は55.2%を占めている。
また、同社代表取締役社長のカーステン・ブルン氏は成長を続けた背景の1つに安定した製品ポートフォリオを挙げた。2014年に同社は11品目で承認申請を行い、6品目の承認を取得しているが、売上高における「後発品なし」製品の割合は、2007年の13%から急速に拡大、2014年は計画を大きく上回る71%が「後発品なし」の製品によるものとなった。
「イノベーションそのものが最大の防衛戦略」とブルン氏
同社では2015年の目標として、市場成長率の3倍の成長ならびに後発品なし製品の割合を75%以上とすることを掲げた。その成長を牽引する製品として、ブルン氏は前出のイグザレルト、アイリーアのほか、肺高血圧症治療薬「アデムパス(R)錠」の3つを挙げた。「申請件数の目標などは開示できないが、2015年は52件の第2相ならびに第3相臨床試験を予定するなど、パイプラインは充実しています」(ブルン氏)
また、日本の大学等の研究機関との提携機会を開拓し、革新的治療薬の創出を目指す「オープンイノベーションセンター」の現状に加え、医療に貢献するデジタルソリューションの助成プログラムを初めとした「デジタルヘルス・イニシアティブ」の取り組みを発表。「市場の成長力が鈍るなか、イノベーションそのものが私たちの最大の防衛戦略だと思っています」(ブルン氏)
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・バイエル薬品株式会社 ニュースリリース