乾癬を適応とした初めてかつ唯一のIL-17A阻害剤
スイスのノバルティス社は3月20日、乾癬治療薬「コセンティクス(R)」(一般名:セクキヌマブ)が、生物学的製剤である「ウステキヌマブ(遺伝子組み換え)」と比較し、皮膚症状の寛解またはほぼ寛解を達成した割合を指標として、優越性を示したCLEAR試験の結果を発表した。
コセンティクスは、インターロイキン17A(IL-17A)を選択的に中和するヒト型抗モノクローナル抗体。乾癬に罹患した皮膚に高濃度にみられるタンパク質であるIL-17Aの作用を阻害することで効果を発揮する。
同剤は2015年1月に、全身療法の対象となる中等症から重症の成人尋常性乾癬の第一選択薬として、ヨーロッパで初めてかつ唯一のIL-17A阻害薬として承認。米国でも同月に承認された。その他、スイス、チリ、オーストラリア、カナダそしてシンガポールでも中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として承認されている。日本においては、2014年12月に世界に先駆けて中等症または重症の尋常性乾癬および関節症性乾癬の適応で承認され、2015年2月27日に発売している。
約8割の患者が寛解およびほぼ寛解を達成
今回結果が発表されたCLEAR試験は、52週間、多施設共同、無作為化、二重盲検試験で、中等症から重症の尋常性乾癬患者を対象に、コセンティクスとウステキヌマブ(遺伝子組み換え)の有効性、および長期の安全性と忍容性を比較した第3b相直接比較試験。北米、欧州、アジアおよびオーストラリアの24か国が試験に参加し、679名の患者が登録された。
このCLEAR試験でコセンティクスは、ウステキヌマブと比較して、主要評価項目である投与16週時の皮膚症状の寛解およびほぼ寛解を示す重症度の評価基準、Psoriasis Area Severity Index(PASI)90の達成において優越性を示した(79.0% vs. 57.6%, P<0.0001)。またコセンティクスは、ウステキヌマブに対し、投与16週時に有意に多くの患者が皮膚症状の完全な寛解(PASI100)を達成したとしている(44.3% vs. 28.4%, P<0.0001)。
▼外部リンク
・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース