オピオイド系鎮痛薬長期投与に伴う便秘症状を有意に緩和
塩野義製薬株式会社は3月30日、現在開発を進めている末梢作用型μオピオイド受容体拮抗薬「naldemedine」について、第3相臨床試験(COMPOSE-1試験)の良好な結果が得られたと発表した。同試験結果は、naldemedineの一連の第3相臨床試験(COMPOSEプログラム)における最初の試験成績となる。
同試験は、オピオイド系鎮痛薬により治療中の非がん性慢性疼痛患者を対象に、同鎮痛薬の長期投与に伴う便秘症状への緩和作用について、naldemedine投与とプラセボ投与を比較したもの。
主要評価項目である12週におけるSBM(頓用緩下薬投与後24時間以内の排便を除く排便を指し、便秘症状の改善度を示す指標)レスポンダー率は、naldemedine 投与群(0.2mg錠を 1日1回1錠服用)において、有意にプラセボ群を上回った。また、1週間あたりのSBM回数変化量等全ての副次的評価項目についても、naldemedine群は有意にプラセボ群を上回ったという。
疼痛・神経領域をコア疾患領域のひとつと位置づけ
オピオイド系鎮痛薬による便秘は、オピオイド系鎮痛薬が慢性的に使用される患者に最もよく見られる副作用のひとつ。オピオイド系鎮痛薬の長期投与患者のうち、40~50%の患者(世界で約3000万人)が便秘症状を発症し、うち半数以上の患者で緩下薬による効果が不十分であることが報告されている。
同社は、新中期経営計画SGS2020において、疼痛・神経領域をコア疾患領域のひとつとして位置づけており、さまざまな痛みや関連する諸症状を緩和する医薬品の研究開発に注力している。
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・塩野義製薬株式会社 プレスリリース