株式公開買い付けによりCDI社を買収
富士フイルムホールディングス株式会社は3月30日、iPS細胞の開発・製造を行うCellular Dynamics International, Inc.(CDI社)と、富士フイルムが株式公開買付けによってCDI社を買収することに合意したと発表した。
富士フイルムは、米国子会社を通じた公開買付けにより、CDI社の発行済普通株式の総数を総額(完全希薄化ベース)約307百万米ドル(1株当たり16.5米ドル)で取得する。買収後、CDI社は、同社の連結子会社として、米国での事業継続を予定。この買収は友好的なものであり、両社の取締役会において全会一致で承認されたとしている。
再生医療領域での事業拡大目指す
CDI社は、2004年に設立され、2013年7月にNASDAQに上場したバイオベンチャー企業。良質なiPS細胞を大量に安定生産する技術に強みを持っており、大手製薬企業や先端研究機関など多くのユーザーとの供給契約、開発受託契約を締結している。
現在は、創薬支援や細胞治療、幹細胞バンク向けのiPS細胞の開発・製造を行っている。すでに創薬支援向けでは、心筋や神経、肝臓など12種類のiPS細胞を安定的に提供するなど、米国でのiPS細胞供給ビジネスを積極的に展開しているという。
富士フイルムは、これまで写真フィルムの研究開発・製造などで培ってきた技術やノウハウを活用し、生体適合性に優れ、様々な形状に加工できる人工タンパク質・RCPを開発するなど、再生医療分野への取り組みを強化してきた。今回の買収を通じ、さらなる再生医療の事業領域の拡大を図り、再生医療の産業化への貢献を目指すとしている。
▼外部リンク
・富士フイルムホールディングス株式会社 プレスリリース