骨粗しょう症を予定適応症とした開発中の薬剤
中外製薬株式会社および大正製薬株式会社は3月27日、骨粗しょう症を予定適応症として日本で共同開発中のビスホスホネート系骨吸収抑制剤イバンドロン酸ナトリウム水和物経口剤(以下、イバンドロネート経口剤)の国内第3相臨床試験(MOVEST試験)について、イタリア・ミラノで開催中の「世界骨粗鬆症会議2015年次会」において試験成績を発表した。
今回発表した試験では、多施設共同二重盲検並行群間比較法により年齢55歳以上の骨粗しょう症患者約400名を対象に、月1回投与の「イバンドロネート経口剤100mg」の有効性および安全性について、月1回投与の「イバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤」(販売名:ボンビバ(R)静注1mgシリンジ)を対照薬として検討したという。
先行して販売している注射剤との非劣性を検証
主要評価項目である12か月目の腰椎L2-L4骨密度の増加率は、イバンドロネート経口剤群で5.22%(95%信頼区間:4.65%–5.80%)、イバンドロネート注射剤群で5.34%(95%信頼区間:4.78%–5.90%)だったという。イバンドロネート経口剤群のイバンドロネート注射剤群に対する変化率(最小二乗平均値)の差は、-0.23(95%信頼区間:-0.97–0.51)であり、プロトコールの規定を満たしたことから、経口剤の注射剤に対する非劣性が検証された。
同社は、この試験結果等をもとに、2015年2月に厚生労働省に対して製造販売承認申請を実施。なお、先行して開発を行ったボンビバ静注は、骨粗しょう症を効能・効果として2013年6月に中外製薬が製造販売承認を取得、同年8月より大正富山医薬品株式会社と共同で販売を行っている。
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・中外製薬株式会社 プレスリリース