アセトニトリル3L入瓶、1本を紛失
中外製薬株式会社は3月27日、同社の浮間事業所(東京都)において、試薬庫内に保管していたアセトニトリル3L入瓶1本を紛失したことが判明したと報告した。紛失は、2月5日に毒劇物に関する管理検査を行った際に判明したという。
紛失したアセトニトリルは、化学工業製品の原料や分析化学用に用いられる有機溶媒。無色の液体で、特異な臭気有があり、可燃性。同薬は、毒物及び劇物取締法の劇物に指定されている。毒性は無機シアン化合物に比べると低いものの、吸入あるいは皮膚よって速やかに吸収され、皮膚または目が同薬にさらされると炎症を引き起こすおそれがあるという。
警察と社内調査も発見に至らず、被害届を提出
同社は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析用の試薬としてアセトニトリルを購入・保管。毒物及び劇物取締法の劇物に指定されているため、定期的な管理検査を行っていた。2月5日に事業所にて毎月実施する現物確認検査があり、1月27日に納品されたアセトニトリル3L入瓶8本のうち、1本の所在が不明であることが発覚した。
確認検査の結果、管理記録と実際の在庫量に差異が発生していることから、社内調査および空瓶回収業者への聞き取りなどを実施。しかし、その原因を判明するに至らず、法令の定めに従って2月13日に警視庁赤羽警察署へ届け出を行っていた。その後、警察と協力しながら社内調査を続けたが発見に至らず、3月17日に同署へ被害届を提出し、受理されたという。
同社は、警察当局の捜査に全面的に協力する一方、引き続き社内調査を行い、原因究明に努めていくとしている。
▼外部リンク
・中外製薬株式会社 ニュースリリース