希少性難治性の神経・筋難病疾患に対する新医療機器として
サイバーダイン株式会社は3月25日、筋ジストロフィーやALS等の希少性難治性の神経・筋難病疾患に対する「新医療機器」として、「HAL(R)医療用(下肢タイプ)」の薬事承認申請を行ったと発表した。
画像はプレスリリースより
HALは、身体機能を改善・補助・拡張することができる世界初のサイボーグ型ロボット。身体に同機器を装着することで、「人」「機械」「情報」を融合させ、身体の不自由な人をアシストしたり、脳・神経系への運動学習を促すシステムとされている。
今回申請された新医療機器とは、構造・使用方法・効能・効果又は性能が「既承認医療機器」と明らかに異なる場合の申請区分であり、治験を経て申請するもの。
同社は同機器の申請に先立ち、2011年8月から医薬品医療機器総合機構(PMDA)への相談を行っていた。さらに、その効果と安全性を確かめるために、2013年3月から2014年8月まで希少性難治性の神経・筋難病疾患の患者に対して、医師主導治験(NCY-3001試験)を行ったという。
医師主導治験で歩行改善効果の有効性・安全性を確認
NCY-3001試験終了後は、治験調整医師である新潟病院の中島孝副院長が治験データを解析して治験総括報告書を作成。同社はこの治験総括報告書により、同機器の当該疾患への歩行改善効果に関する有効性、安全性を確認したうえで、そのデータをもとに申請に至ったという。
今後は、他の難病に対しても適応拡大をめざした治験をおこなう予定で、2014年9月からHAM(HTLV-1関連脊髄症)など痙性対麻痺に対する治験を開始している。
なお、同機器は、希少疾病用医療機器として優先審査を受けられる。そのため、通常の審査期間が12か月のところを、審査側と申請者側の双方の目標として9か月に短縮。早期の承認を目指す予定としている。
▼外部リンク
・サイバーダイン株式会社 プレスリリース