国試は、1万6546人が出願し、1万4316人が受験した。「6年制新卒」の合格率は前回の70・49%から微増の72・65%となった一方で、「6年制既卒」の合格率は低水準だった前回の39・85%から53・12%に上昇。前回の国試で「あと一歩」届かなかった学生が数多く試験を受けたこともあり、合格者数が前回の1003人から2794人に増えた。
厚労省は、前回の国試で合格率が低かったことにより、調剤薬局やドラッグストアなどで、薬剤師不足が指摘されたことを念頭に、「結果として、需給に支障がないような数字になったのではないか」とした。
大学の設置主体別の合格者数は、国立が521人(合格率75・07%)で、うち6年制新卒が398人(84・14%)、6年制既卒が70人(69・31%)、その他が53人(44・17%)だった。
公立は233人(75・40%)で、うち6年制新卒189人(82・89%)、6年制既卒31人(60・78%)、その他が13人(43・33%)。私立は8290人(62・27%)で、6年制新卒5549人(71・65%)、6年制既卒2693人(52・72%)、その他48人(10・46%)だった。
大学別で最も合格率が高かったのは、広島大学の86・79%。合格率が9割を超えた大学はなかった。最も低かったのは第一薬科大学の23・47%だった。
今回、問題に不適切な記載があり、正解となる選択肢がなかったため、全員を正解とする不適切問題が3問あった上、問題としては適切だが、受験者の正答率や選択肢問題の良否を決める識別指数などを考慮して全員を正解扱いにする補正対象問題が11問あった。
厚労省は、補正対象問題について、4年制時にも11問ほど採択されたことがあり、「決して数が飛び抜けているわけではない」と否定したが、「ここ最近では多い方」としている。
予備校などでは、今回の合格率は補正をかけなければ下がるとの見方が示されていた。しかし、微増に転じたことから、厚労省がある程度の補正を行ったことも推察される。
表:第100回薬剤師国家試験大学別合格者数