2013年の「T-CARE Survey」に続き、大規模調査を実施
塩野義製薬株式会社は3月24日、「糖尿病患者と医師の治療と行動に関する意識調査(T-CARE Survey 2)」の結果を発表した。この調査は、糖尿病患者3,580名と医師298名を対象に、今年1月に実施されたもの。
画像はプレスリリースより
同社は2013年10月にも、「糖尿病患者の意識と行動」調査「T-CARE Survey」を実施している。その結果として、前向きに治療に取り組むため、患者の「効果認識・病状理解」の向上が不可欠であり、そこには患者と医師との関わりが大きく影響しているということが分かっていた。そこで今回の調査では、糖尿病患者と医師の間にある“意識”や“認識”の差を調べたという。
医師に指示された運動・食事管理を実践している患者は3割
合併症などのリスクに関する説明では、「脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなる」ことを「説明している」と回答した医師が93.3%であるのに対し、「説明を受けたことがある」と回答した患者は49.1%。合併症などのリスクに関する医師の説明は、医師が思っているほど患者に伝わっていないことが分かる。
また、糖尿病の治療について、「継続しなければならない」と回答した患者は89.4%であるのに対し、「治療を継続しなければならないと患者自身が思っている」と回答した医師は62.1%。患者は医師が思っているより“治療継続意識・合併症予防の必要性”を認識していることが示唆された。
このような意識差は、生活習慣改善や治療サポートにも認められている。医師に指示された「運動をしっかりやっている」、「食事の管理をしっかりやっている」と回答した患者は3割程度に留まり、医師が期待するほど、運動・食事管理などの生活習慣の改善が実践できていないという結果となった。
さらに、糖尿病治療に関して、「医師以外に関わりのある医療関係者はいない」と回答した患者は64.9%にものぼり、医師以外にメディカルスタッフや家族の治療サポートがある患者は、まだ少数であることも分かった。
なお、調査結果の詳細データは、http://www.shionogi.co.jp/static/tcare_survey1503.pdfで確認できる。
▼外部リンク
・塩野義製薬株式会社 プレスリリース