65歳以上の高齢者を対象としたプレベナー13の大規模試験
米国のファイザー社は3月18日、同社が実施した市中肺炎に対する予防接種大規模臨床試験(Community-Acquired Pneumonia Immunization Trial in Adults: CAPiTA)の結果を発表した。
同臨床試験は、オランダのJulius Clinicalとユトレヒト大学メディカルセンターとの協働で実施されたもの。試験結果は、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」(NEMJ)の3月19日号に掲載された。
この臨床試験は、高齢者を対象として実施された試験の中でももっとも大規模な無作為割り付けプラセボ対照二重盲検比較臨床試験。65歳以上の成人に対し、「プレベナー13」(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)を接種した際の、ワクチン型の市中肺炎(CAP)(非菌血症性/非侵襲性市中肺炎を含む)および侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の初回発症に対する予防効果を評価した。
CAPの疾病負荷を有意に減少
主要評価項目に関しては、プレベナー13を接種した被験者群では、ワクチン型市中肺炎の初回発症がプラセボを接種した対照群に比べて45.6%少ないという結果が得られた。副次的評価項目に関しては、同ワクチンを接種した被験者群で、非菌血症性/非侵襲性のワクチン型市中肺炎の初回発症が、対照群に比べて45.0%少なく、ワクチン型のIPDの初回発症が対照群に比べて75.0%少ないという結果が得られたという。同試験で認められた同ワクチンの安全性プロファイルは、これまでに実施された成人における臨床試験の結果と一貫していた。
同試験によって、同ワクチンの接種を受けた高齢者は、ワクチン型の肺炎球菌による市中肺炎が有意に減少することが明らかになった。この試験結果に基づき、日本においても、同ワクチンの定期接種化の議論が速やかに行われ、多くの高齢者の肺炎球菌感染症予防への貢献が期待されている。
▼外部リンク
・ファイザー株式会社 プレスリリース