投与対象患者を限定した条件が解除
大鵬薬品工業株式会社は3月20日、進行・再発の結腸・直腸がん治療薬である抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)について、厚生労働省より迅速審査にて効能・効果の一部変更承認を取得したことを発表した。
ロンサーフ配合錠T15・T20は、日本では国内第2相臨床試験の結果に基づき、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果として、世界に先駆けて2014年3月に承認、5月に発売された。承認時の条件として、有効性と安全性を検証する国際共同第3相臨床試験「RECOURSE」の終了後、速やかにその結果を提出することが求められていた。
第3相臨床試験でもOSを有意に延長
RECOURSE試験は、標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者800名を対象に、日本を含む13か国で実施した国際共同第3相臨床試験。同試験において、同剤投与群はプラセボ投与群と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)を有意に延長(HR=0.68、p<0.0001)。また、安全性において特に問題となるような事象は観察されなかったとしている。
そして今回、同試験で示された有効性と安全性に基づき、「標準的な治療が困難な場合に限る」との投与対象患者を限定した条件が解除され、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果とする一部変更承認を取得したという。
同剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤。FTDは、DNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されている。一方TPIは、FTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持するという。なお、米国と欧州においては現在承認申請中としている。
▼外部リンク
・大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース