2社が共同開発を行う遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体
アステラス製薬株式会社とアステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社は3月20日、アステラス・アムジェン・ バイオファーマが、LDLコレステロール低下薬「evolocumab」(開発コード:AMG 145)について、厚生労働省に製造販売承認申請を行なったことを発表した。
evolocumabは、アムジェン社が創製したプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を阻害する遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体。肝臓には低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)を血中から除去する能力があるが、PCSK9はこの能力を低下させるという。同剤は、高コレステロール血症治療薬として、アステラス・アム ジェン・バイオファーマとアステラス製薬が共同開発を行なっている。
第3相試験において、LDL-Cの有意な低下を確認
今回の申請のベースとなったのは、心血管系リスクの高い日本人高コレステロール血症患者を対象として、スタチン併用下で evolocumabを評価した第3相試験「YUKAWA-2」の試験結果。同試験において、主要評価項目である12週時点までのLDL-Cのベースラインからの変化率、および10週と12週時点のLDL-Cのベースラインからの平均変化率を評価した結果、統計学的に有意な低下が認められたという。
高コレステロール血症、特に高LDL-C血症は、最もよくみられる脂質異常症の一種で、血中のコレステロールや脂質量が異常値を示す。また高LDL-C血症は、心血管系疾患の主要なリスク要因として認識されている。さらに遺伝子の突然変異が原因で生じる遺伝疾患である家族性高コレステロール血症でも、LDL-C値が異常値を示すことが知られている。
なお米国では、アムジェン社が2014年8月に米国食品医薬品局(FDA)に高コレステロール血症治療薬としてevolocumabの生物学的製剤承認申請書(BLA)を提出。欧州では、アムジェン社が2014年9月に欧州医薬品庁(EMA)に中央審査方式にて医薬品販売承認申請(MAA)を提出している。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース