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厚生労働省 中央社会保険医療協議会総会、後発品の「銘柄指定」が倍増―薬局で備蓄なし 問題視の声多く

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2015年03月23日 AM10:00


■中医協 14年度調査速報

厚生労働省は18日、後発品の使用促進策の影響に関する2014年度調査の結果速報を、中央社会保険医療協議会総会に示した。昨年9月の1週間の後発品調剤割合は、新指標で57・2%となった。1週間の取り扱い処方箋に記載された医薬品で一般名処方の割合は18・1%と前回調査から7・5%増加。そのうち70・8%で後発品が選択され、着実に後発品の使用が進んでいることがうかがえた。ただ、後発品名で処方された医薬品で「変更不可」とされた割合が44・8%と、前回調査の22・8%から大幅に増えており、後発品の銘柄指定が課題に浮かび上がった。

保険薬局の後発品調剤体制加算の算定状況を見ると、新指標で数量シェア55%以上の「加算1」(18点)が28・4%、数量シェア65%以上の「加算2」(22点)が29・9%と全体の58・3%が算定していたが、3段階の加算があった13年度調査の74・3%からは減少しており、算定のハードルが高くなっていることがうかがえた。

後発品の調剤割合は、新指標で「65%以上~70%未満」が15・8%と最も多く、次いで「55%以上~60%未満」が14・6%、「60%以上~65%未満」が13・6%、「80%以上~85%未満」も2・6%あった。全体の平均では57・2%だった。

1週間の取り扱い処方箋に記載された医薬品で一般名処方の割合は18・1%と前回調査の10・6%から7・5%上昇し、そのうち70・8%で後発品が選択されていた。一般名処方で後発品が選択された割合も前回調査の59・6%から11・2%増加するなど、後発品を使う流れが加速している。一般名処方の処方箋を持参した患者のうち、後発品を調剤しなかった理由は、「患者が後発品を希望しなかったから」が58・8%と最も多かった。

ただ、後発品名で処方された医薬品で「変更不可」となっている割合が44・8%と、前回調査の22・8%から大幅に増加。後発品の銘柄指定を行う医師が増えていることがうかがえた。

変更不可の後発品が処方されることについて、46・1%の薬局が「問題があった」と回答。実際に「備蓄がなく、取り寄せるために患者を待たせることになった」が58・8%、「備蓄がなく、後ほど患者宅へ届けることになった」が46・6%と、銘柄指定によって備蓄がない製品を調剤せざるを得なくなったことが問題視されていた。

また、後発品の望ましい価格体系については、薬局薬剤師の62・6%が一つの価格帯に統一することを求めており、現行の3価格帯が望ましいと考えているのは9・4%にとどまった。さらに、望ましい価格水準は平均で先発品薬価の52・7%が適切な水準と考えていた。現行制度では、初後発品の薬価は先発品の60%となっているが、薬局薬剤師は、先発品の半額近くが望ましい薬価水準と考えていた。

後発品の使用を進める上で医師に望むことを尋ねたところ、「患者が後発品の使用を希望している場合、処方箋に変更不可の署名を行わないこと」が最も多く、次いで「後発品の銘柄指定をしないこと」が挙げられた。

一方、診療所・病院・医師調査で、後発品の銘柄指定をする理由を尋ねたところ、「特定銘柄以外の後発品の品質に疑問がある」「患者から希望があった」ことを挙げる回答が多かった。患者調査では、全体の59・7%が「少しでも安くなるのであれば使用したい」と考えており、実際に82・1%が後発品を使用したことがあった。後発品に変更したきっかけは、薬剤師からの説明が67・2%と最も多かった。

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