第1例目の被験者への投与を開始
アンジェスMG株式会社は3月17日、核酸医薬であるNF-κBデコイオリゴを用いたアトピー性皮膚炎治療薬(軟膏製剤)について、国内において第3相臨床試験を開始したことを発表した。
NF-κBデコイオリゴは、NF-κB結合部位のDNA配列をもつデコイオリゴであり、転写因子そのものを標的とする。このことから、既存の薬剤と比較して特異性、標的分子に対し確実に効果が発揮されるなど、有効性の面で治療薬として優位性があると考えられ、副作用の面でも軽減することが期待できるとしている。
同社は、このNF-κBデコイオリゴを用いたアトピー性皮膚炎治療薬(軟膏製剤)の開発について国内第3相臨床試験に移行することを2014年8月25日に発表。試験開始に向けた準備を進めていたが、今年3月13日に第1例目の被験者への投与が開始されたという。
中等症以上の顔面のアトピー性皮膚炎を適応症として承認申請予定
今回の第3相臨床試験は、顔面に中等症以上の皮疹を有するアトピー性皮膚炎患者約200例を対象としたプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験。最初の被験者の投与開始から最後の被験者の観察期間終了までの期間は約1年強を予定しており、当該治療薬の有効性と安全性を確認するとしている。
同試験において良好な結果が得られた場合、同社は国内で中等症以上の顔面のアトピー性皮膚炎を適応症として承認申請を行う予定。なお、同社はアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患を対象としたNF-κBデコイオリゴの独占的販売権に関して、塩野義製薬株式会社と契約している。
アトピー性皮膚炎に対する既存の薬剤は、皮膚刺激性や局所副作用などの安全性の観点から全ての医療ニーズを満たしているとは言えず、より安全性の高い治療薬が求められているのが現状だ。アンジェスMGは、NF-κBデコイオリゴ軟膏が、中等症以上の顔面の皮疹を適応症とした患者の新しい治療選択肢として位置付けられることを期待すると述べている。
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・アンジェス MG株式会社 ニュースリリース