硝子体内への投与が可能となるよう等張化された注射液
ドイツのバイエル ヘルスケア社は3月11日、病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV)の治療薬として、アフリベルセプト硝子体内注射液の承認申請を欧州医薬品庁(EMA)に提出したことを発表した。
アフリベルセプトは、ヒトVEGF受容体1と受容体2の細胞外ドメインの一部をヒトIgG1のFcドメインと融合させた遺伝子組換え融合タンパク質。アフリベルセプト硝子体内注射液は、硝子体内への投与が可能となるよう等張化された注射液として開発された。アフリベルセプトは、可溶性のデコイ受容体としてVEGFの一種であるVEGF-Aと胎盤成長因子(PlGF)に結合することにより、本来のVEGF受容体への結合および活性化を阻害することができるという。
第3相試験において平均視力変化が12.1文字の改善
今回の承認申請は、mCNVを対象とした第3相臨床試験であるMYRROR試験のデータに基づいている。アフリベルセプト投与群において、ベースラインから24週目の平均視力変化(最高矯正視力)が12.1文字の改善であったのに対し、偽注射群では2文字の減少だったという(p<0.0001)。視力は、臨床試験で視力を測定する際に標準的に用いられているETDRS視力表を用いて測定された。
現在、アフリベルセプト硝子体内注射液は、「EYLEA(R)」(アイリーア(R))というブランド名で販売され、mCNVの適応では、日本で2014年9月に承認されている。同剤は、滲出型加齢黄斑変性の適応で80か国以上、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の適応で約30か国、網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の適応で40か国以上で承認を取得。また、糖尿病黄斑浮腫の適応で40か国以上で承認されている。日本では、網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫の患者を対象とした第3相VIBRANT試験の成績に基づき、承認を申請している。
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・バイエル薬品株式会社 ニュースリリース