柔軟な運用で医療資源の効果的活用を求める意見が
内閣府設置の規制改革会議で議題となった、「医薬分業における規制の見直し」。今回のディスカッションの内容について、QLifePro編集部では、実臨床の現場を知る薬剤師・医師に話を聞いた。
患者さんにとって分かりやすい・選びやすい薬局情報の開示を
(薬剤師 水 八寿裕氏)
「委員の意見として院外薬局としてのメリットを感じてもらえていないということは真摯に受け止めるべき。院内薬局の議論をするより、薬剤師個々の情報発信により、患者さんにとって分かりやすい・選びやすい薬局情報の開示を早急に行わなければいけない。また処方せんを持ち込んでも薬の在庫が無いという不満には薬局在庫のインターネット公開や処方元への問い合わせで同種同効薬への変更がスムーズに行えるようになる環境の整備を行い、医療資源の効果的活用を促進させていきたい」
院内処方、薬局のメリットはもっと考慮されるべき
(内科医、医療機関理事長 新宮 良介氏)
「医療機関利用の主役である高齢者、障がい者の利用を考えたとき、院内処方、薬局のメリットはもっと考慮されるべきかなと感じている。院外処方ありきではなく医薬分業の役割、内容が担保されていれば、各医療機関の事情、環境などで、院外、院内いずれでも運用できる制度があってもいいのでは?と考える」
もっと緩やかな制度になることを期待
(産婦人科医、医療機関院長 宗田 聡氏)
「高齢者、障がい者のみならず、多忙な現代人にとって、医療機関受診後に、また別な場所の薬局にいくことが困難なことも多く、せっかくの処方も引き取りに行けないまま期限切れになる方も珍しくありません。また、薬局でも同じような問診を患者さんが受けて二重に話をしなくてはいけなかったり、病気によっては人前ではなしたくないことも、薬局窓口で話されてしまうこともありトラブルにもなっています。(『あなたにうつ病の薬がでています』など)黒か白かでなく、もっと緩やかな制度になることを期待します」
薬剤師と医師の役割分担を法的にも明確にすべき
(内科医、機能強化型在宅療養支援診療所 理事長・診療部長 佐々木 淳氏)
「院外薬局が病院とは違う立場で介在することに患者の利益を見出すとすれば、薬剤師がより主体的に患者の治療に関わるべきだし、それができるように医師との役割分担を法的にも明確にすべき。慢性疾患に対する処方のリフィルや内服薬そのものを減らすための指導など一定の範囲で薬剤師ができるようになれば、医師はよりコア業務に専念できるし、単にジェネリックにスイッチさせるのとは違う医療費の効率化も図れると思う」
▼参考リンク
・政府・規制改革会議、公開討論、“門内薬局”容認論相次ぐ―構造上の規制、緩和すべき
▼外部リンク
・内閣府 規制改革