■経産省研究会が報告書
経済産業省は13日、セルフメディケーションの推進に向け、ドラッグストアが果たすべき役割をまとめた提言を発表した。消費者への適切な情報提供が重要とし、特に自己健康管理を最大化するため、医師等と連携して消費者を医療機関につなぐ機能を持ち、消費者ケアを行う仕組みの構築を提言した。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、どこまでの範囲、内容で受診勧奨ができるか法的な位置づけを明確化するため、業界で統一した「受診勧奨ガイドライン」策定を検討していくと報告した。
提言は、経産省が昨年11月から開催してきた「セルフメディケーション推進に向けたドラッグストアのあり方に関する研究会」の報告書をまとめたもの。セルフMを進めるため、薬剤師、登録販売者等の専門人材が勤務し、医薬品をはじめ多様な商品を取り扱うドラッグストアには大きな期待がかかるとしつつ、「消費者は立地や利便性を重視しており、期待される役割と消費者の認識にギャップがある」と課題を指摘。今後、セルフMの推進拠点として役割を果たしていくためには、薬剤師等を生かした消費者への情報提供機能の強化が重要とした。
消費者への情報提供に当たっては、「内容や範囲も検討する必要がある」とし、特に予防・未病改善の取り組み、地域包括ケア、在宅介護等に関する情報は、消費者の健康管理を支援するために重要と指摘。関連法令に準拠しつつ、内容の充実が望ましいとした。
消費者の利便性、自己健康管理を最大化するためには、ドラッグストアと医療機関等が連携し、消費者へのケアを行えるような仕組みを構築することが重要と提言した。
JACDSは、提言に関連する業界の取り組むべき内容に「受診勧奨ガイドライン」の策定を挙げ、来店した消費者の状態を把握し、適切な受診勧奨を行えるよう統一ガイドラインを作り、受診勧奨の責任範囲や法的影響範囲を明確化していく方針を報告した。
現状では特定保健指導の実施率が16・4%にとどまっているため、ドラッグストアが受診勧奨できる体制整備が必要と指摘。医師の理解が得られる内容、方法を明確化し、薬剤師のみならず、登録販売者も使える受診勧奨の範囲、法的位置づけや医師への伝え方等を検討すると共に、ドラッグストアが健康ステーションの機能を果たすため不可欠な多職種連携の環境整備も検討していくとした。