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尿1滴で早期がんの診断を可能にする技術を開発-九大

読了時間:約 1分9秒
2015年03月16日 PM05:15

線虫の嗅覚を用いて高精度にがんの有無を識別

九州大学は3月12日、線虫によってがんの有無を高度に識別できることを発見したと発表した。これは、同大大学院理学研究院/味覚・嗅覚センサ研究開発センターの広津崇亮助教、伊万里有田共立病院の園田英人外科部長(九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科共同研究員、九州大学味覚・嗅覚センサ研究開発センター客員准教授)と、同大大学院医学研究院消化器・総合外科の前原喜彦教授らの研究グループによる成果である。


画像はプレスリリースより

がん患者には特有の匂いがあることが臨床現場では知られており、犬を用いてがんを診断しようという試みが進んでいる。しかし、がん探知犬の能力は集中力に左右されるため、1日5検体ほどしか調べることができず、実用化が困難であるのが現状だった

そこで同研究グループは、嗅覚受容体を犬と同等の約1,200種有する線虫「C.elegans」に着目。がん患者の尿20検体、健常者の尿10検体について線虫の反応を調べたところ、全てのがん患者の尿には誘引行動を、反対に全ての健常者の尿には忌避行動を示すことがわかったという。

短時間で安価、高精度に早期がんを診断

線虫の嗅覚を用いたこの検査は、苦痛がなく、簡便であること、また結果が出るまでに1時間半と早く、安価にできるのがメリット。また、これまでに調べた十数種全てのがんを一度に検出することも可能で、その中には、従来の検査では早期発見が難しかった膵臓がんも含まれるという。

研究グループは、この技術(n-nose)が実用化されれば、尿1滴でさまざまな早期がんを短時間に安価に(数百円)高精度に(約95%)検出できるようになることが期待できるとしている。なお、この研究成果は、米オンライン科学誌「」に3月11日付で掲載されている。

▼外部リンク
九州大学 プレスリリース

 

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