SGOらが発表した新しい暫定プロフェッショナル・ガイダンスに
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は、F.ホフマン・ラ・ロシュの診断薬事業部門である米国のロシュ・ダイアグノスティックス・コーポレーションが1月8日付で発表した英文プレスリリースの翻訳版を公表。その報告によると、米国婦人科癌学会(SGO)と米国コルポスコピー・子宮頸部病理学会(ASCCP)が同日発表した新しい暫定プロフェッショナル・ガイダンスに、ロシュ社が新しく発表した、子宮頸がんスクリーニングの一次検診へのHPV利用に関しての研究データが活用されているという。
画像はプレスリリースより
この暫定ガイダンスは、医療従事者が子宮頸がんスクリーニングのプロトコールにHPV一次スクリーニングを取り入れる最適な方法を決める助けとなることを目的として、米国産科婦人科学会(ACOG)、米国がん学会(ACS)、米国臨床病理学会(ASCP)、米国細胞病理検査会議(ASC)、米国病理学会(CAP)を含む、他5つの団体の代表者によるアドバイスと共にSGOとASCCPによって編集されたもの。「Gynecologic Oncology」と「Journal of Lower Tract Genital Disease and Obstetrics and Gynecology」に同時に発表されており、25歳以上の女性に対して、FDA承認の検査を用いてHPV一次スクリーニングを行うことは、既存スクリーニングが推奨する細胞診検査(パップテスト)の単独検査、または細胞診とHPV検査の併用検査に代替する有効な検査であると支持しているという。
25~29歳の年齢グループでは細胞診検査は不十分
同ガイダンスの報告に使われているのは、「Gynecologic Oncology」に同日発表されたATHENA試験の3年間の研究データ。同データによると、ロシュ社のコバスHPVテストを使用したHPV一次スクリーニングは、細胞診検査単独よりも頸部病変を有意に検出。コバスHPVテストで陰性結果となった女性は、細胞診で陰性の女性に比べ、3年以内に前がん病変に発展するリスクは半分以下だったという。
今回、ガイダンスでは初めて、がんに進展する前の子宮頸がんリスクの確認と層別には、細胞診よりもHPV検査で25歳以上の女性をスクリーニングするという選択肢を臨床医に提供している。この推奨は、47,000人以上の女性を対象にした研究で、25歳から29歳の女性において予想外に高い子宮頸がんリスクを示したATHENA試験を含む、11の研究レビューから得られた。ATHENAデータでは、高度の前がん状態CIN3の女性のうち3分の1以上が25歳から29歳だった。さらに、コバスHPVテストでCIN3以上の病変が検出された25歳から29歳の女性の半数以上は細胞診検査では検出されず、細胞診検査はこの年齢グループでは不十分であることがデータから判明したという。
コバスHPVテストは、一検体、1回の検査で高リスク型HPV12種類の一括検出と同時に、より悪性度の高いHPV16型と18型の特定遺伝子の識別が行えるFDAが承認した唯一のHPV検査。日本では「コバス 4800 システム HPV」の製品名で2013年1月17日から販売されている。
▼外部リンク
・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース