生活保護の医療扶助は、全額を公費で賄っているため、厚労省は後発品の使用促進を図っているが、都道府県ごとの後発品の数量シェアは、最も高い自治体で78・9%(那覇市)に達している一方、最も低い自治体は45・6%(和歌山県)にとどまるなど、大きな開きがある。
そのため、厚労省は来年度から、後発品の数量シェアが75%に達していない自治体については、さらなる取り組みとして、後発品の使用が低調な理由を分析し、その原因に応じて具体的な対応方針を定める「後発品使用促進計画」を策定する取り組みを開始するよう求める。
また、後発品使用促進の取り組みが一定の基準を満たす場合には、医療扶助の適正化にかかる補助金の補助率を引き上げるなどして、取り組みの評価を行うことも予定している。
院内処方を行う医療機関に対する取り組みも進める。院外処方は、14年度で数量シェア61%に達した一方で、院内処方については51%にとどまっているため、院内処方における後発品の使用割合が20%に達していない医療機関に対しては、都道府県等が後発品の使用促進について要請ができるような取り組みを考えている。
医療機関への要請の方法は、▽個別訪問▽講習会▽広報▽文書等――などがあり、個別訪問については、生活保護受給者に対する院内処方の規模が大きく、かつ後発品の数量シェアが特に低い医療機関に対して行うことを想定している。
厚労省は、9日の社会・援護局関係主管課長会議で個別訪問の対象となる医療機関について、「医薬品の平均処方個数が全国平均の10倍以上、1万6610個以上であって、数量シェアが20%に満たない医療機関を対象としてもらいたい」と説明したが、「あくまで一つの考え方で、地域の実情を踏まえ対応してもらいたい」としている。
同日の会議で厚労省は、個別訪問を含む医療機関への要請について、「できる限り地域の職能団体と協議の上、実施する」ことを求めた。