原発不明がん、希少がん、標準治療に不応となったがんを対象として
京都大学は3月9日、がん患者のがん関連遺伝子変異を網羅的に解析することによって、その患者に最適な抗がん薬を調べるがんクリニカルシーケンス検査「OncoPrime」(オンコプライム)を同大医学部附属病院が2015年4月から開始すると発表した。
画像はニュースリリースより
この検査は、同大学が日本で初めて網羅的がん遺伝子解析を臨床に導入するもの。原発不明がん、希少がん、標準治療に不応となったがんを対象として、がん組織で起こっている遺伝子変化を調べ、得られた結果をもとに、患者のがんの診断や治療に役立つ最新情報がないか最先端の情報通信技術を用いて解析を行うとしている。
がん個別化医療開発に向けた研究に活用
現在、日常臨床で行われている遺伝子検査は特定の遺伝子で起こっている一部の変化しか調べることができないが、同検査では200を超えるがん関連遺伝子で起こっている遺伝子変化を一度に調べる事ができるようになるという。
今回、同大学は三井情報株式会社の協力により、米国のCLIAと呼ばれる臨床検査の法的基準を満たし、品質管理された施設で検査を開始する。また、同検査を通して蓄積された臨床情報や遺伝子情報は、患者の同意のもと、匿名化された上で学内のデータベースに保存され、将来のがん個別化医療開発に向けた研究に活用していく考えだ。
▼外部リンク
・京都大学 ニュースリリース