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心原性脳塞栓症の予防へ向けた提言書「第二版」を発表-脳卒中協会とバイエル

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2015年03月10日 PM03:00

昨年発表の初版に続く提言書、各地で行われる実行策を追加

バイエル薬品株式会社と公益社団法人日本脳卒中協会が共同事業として展開する「心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト」(TASK-AF: Take Action for StroKe prevention in Atrial Fibrillation)が、「脳卒中予防への提言書-心原性脳塞栓症の制圧を目指して-」の第二版を3月4日付で発表した。


日本脳卒中協会 山口武典理事長

この提言書は、2014年5月に発表された「脳卒中予防への提言書-心原性脳塞栓症の制圧を目指すために-初版」に続くもの。同プロジェクトは初版の発表後、保健と医療の連携のあり方を検討した「心房細動による脳卒中を予防するための保健活動ガイダンス」の作成、日常診療での心房細動の早期発見と医療連携の推進を目指す「秋田パイロットプログラム」、適切な治療継続のための患者教育と医療連携を検証する「伏見パイロットプログラム」の3つの取り組みを開始していた。

今回の第二版は、こうした各地の事例を取り上げながら、具体的な実行策を示したもので、1)心房細動の早期発見、2)脳卒中予防のための適切な治療の推進、3)切れ目ない地域連携で乗り越える制度間の課題、の3部構成となっている。

日本脳卒中協会・中山事務局長「まずは自分たちができることを」

今回の第二版発表に合わせ開催された共同記者会見では、日本脳卒中協会の山口武典理事長らが講演。「脳卒中の4分の3は脳梗塞であり、脳梗塞の3分の1は心原性脳塞栓症。つまり脳卒中の2割は心原性と言える。この心原性の脳卒中のうち、4分の3が心房細動によるもの。高齢化が進むと心房細動のリスクが高くなるため、脳卒中も増えていくことが予想される」と山口氏は語った。

山口氏はまた「心原性脳塞栓症は、脳卒中の中でも死亡や寝たきりとなる患者が多い。一方で、心房細動の治療を行うことで心原性脳塞栓症は予防可能であるにも関わらず、早期発見や抗凝固療法による適切な治療があまり行われていなかった。TASK-AFの活動で、心房細動の早期発見を呼びかけていく」とした。

心房細動は、心電図検査を行うことで早期発見の可能性が高まる。しかし、心房細動患者が多い後期高齢者を対象とした後期高齢者医療制度の検診には、心電図検査が義務付けられていない。このため、同プロジェクトでは心電図検査と併せて、脈拍触診(検脈)や聴診を勧めている。日本脳卒中協会の中山博文事務局長は、「(心電図検査を導入してもらうなど)コストがかかるものよりも、まずは自分たちができること、各地域で取り組んでいただけるものでないと普及しないであろうと考えた。また、心電図検査を特定健診に入れてもらうために、国の検討会に参加されている先生方に情報提供をしている」と語り、現場単位で行える対策と国を挙げての対策の2段構えで心房細動の早期発見を目指してゆく考えを示した。

なお、今回発表された提言書第二版ならびに初版は、心房細動による脳卒中を予防するプロジェクトのホームページから閲覧できる。

▼外部リンク
心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト
脳卒中協会とバイエル 「心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト」を開始

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