ネキシウム、クレストール、シムビコートが成長を牽引
アストラゼネカ株式会社は3月10日、東京でプレス向けの事業説明会を開催した。2014年の同社実績は約3150億円。対前年比で5.0%の伸長となった。牽引したのは消化性潰瘍治療薬の「ネキシウム(R)」で、約799億円(対前年比+43.4%)。ほか、高脂血症用剤の「クレストール(R)」が約495億円(同+6.1%)、吸入ステロイド薬の「シムビコート(R)」が約400億円(同+11.6%)だった。また、SGLT2阻害薬「フォシーガ(R)」の発売など、同社が重点疾患領域の1つとしている糖尿病領域については、前年比+110.4%と大幅に伸長した。
アストラゼネカ株式会社 代表取締役社長
ガブリエル・ベルチ氏
同社社長のガブリエル・ベルチ氏は、「医療用医薬品市場全体でみると、2014年は+1.4%。消費税増税を勘案すると、実質マイナス成長だったにも関わらず、当社は大きく成長することができた」とし、また、SGLT2市場についても「フォシーガは現在2番手。早急にナンバー1の位置につきたい」と語った。
3領域において開発を集中
続いて、同社メディカル本部長の松尾恭司氏が開発の状況について説明した。同社では、「呼吸器・炎症・自己免疫」「循環器・代謝」「オンコロジー」を主要疾患領域としているが、「2012年に開発に関する戦略を見直したことで、開発のスピードもクオリティも向上した。2014年で第3相ならびに申請中の開発品数は14品と目標を大幅に上回っている。今後も競合優位性のあるこの3つの領域において、パイプラインの拡充・加速をしていきたい」と語った。
ネキシウムと処方シーンが重なる、2014年末に承認された新規作用の酸関連疾患薬「ボノプラザン」に対する戦略についてもベルチ氏は「臨床試験の結果から、ネキシウムはボノプラザンと同等の効果がある、ということが分かっており、それほど心配はしていない。これらのデータをしっかりと伝えていければ」と語った。
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・アストラゼネカ株式会社