約4割の女性に過多月経の症状あり
バイエル薬品株式会社は、18~45歳の日本人女性約4,500人を対象に、過多月経の意識調査を実施した。月経のある一般女性全体の約42%に過多月経の症状の経験があり、症状が重度の女性でも、産婦人科医に相談した経験のある人は約4割に過ぎないことが分かった(※一般女性を対象とした「過多月経の意識・実態調査」結果を発表-バイエル薬品)。
調査結果を受けて開催されたプレスセミナーで、倉敷平成病院 婦人科の太田郁子先生が、過多月経の診断と治療法について講演した。
倉敷平成病院 婦人科 太田郁子先生
重い貧血や倦怠感、動悸、息切れなどが引き起こされる過多月経では、月経のたびに外出や仕事などが妨げられ、QOLにも影響する。過多月経は月経量の評価ではなく、血液検査で貧血があるかどうかで診断される。「ヘモグロビンが11.4g/dl以下の小球性貧血のうち、PLT(血小板)が30万を超えていると消化管出血や過多月経の疑いがあります」と解説。一方で、ヘモグロビンが正常なのにPLTが高い人がいるという。
「たばこを吸っていると結果がマスキングされ、正常値が高めに出る場合があります。このような方は、PLTが30万を超えていたら過多月経の疑いがあります」(太田先生)
過多月経は、子宮筋腫や子宮腺筋症など何らかの器質的疾患を伴うもの(器質性過多月経)と、器質的疾患を伴わないものに分けられる。過多月経による貧血の治療としては、出血量を減らすことを第一とし、子宮全摘出術、子宮内膜焼灼術などの外科的療法と、薬物療法(ホルモン療法)が行われる。
患者の納得感がホルモン療法を続けるカギに
ホルモン療法は患者の抵抗感が強い、と太田先生。費用とともに、可能な選択肢を説明し、その患者に一番合った長く続けられる治療法を、患者自身が納得して選ぶことがアドヒアランスを良好に維持することにつながるという。
レボノルゲストレル徐放型IUSである避妊・過多月経・月経困難症治療薬ミレーナは、主に子宮内に直接作用。飲み薬や注射のホルモン剤と違い局所的に作用するため、血液中の黄体ホルモンの濃度はほとんど上がらず、一度挿入すると最長5年間効果が持続する。
「ミレーナ挿入後、3か月後には出血しない日が出てきて、月経も10日間くらい、今までの月経に比べ10分の1くらいの量になります。6か月後には月経は1~2日、1年後には約20%の人で月経が起こらなくなります」(太田先生)
ただし、挿入後、約1~3か月少量の不正出血が続くことがあったり、子宮内部の形の異常や子宮筋腫などを合併していると、IUSが脱出してしまうこともあったりするため注意が必要だという。
倉敷平成病院がミレーナを挿入した患者320人に対してのアンケート調査を実施したところ、ミレーナ挿入前には66%の人が「入れたくない」と回答したものの、6か月後には96%の人が「非常に満足」と回答。徐々に月経から解放され、快適に過ごせていることがうかがえる結果となった。
太田先生は「過多月経は健診の貧血から診断でき、原因として婦人科の病気があると考えられます。過多月経は婦人科で治せる症状ですので、決して我慢せず早めに受診してください」と締めた。
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・バイエル薬品株式会社 ニュースリリース