レンバチニブ、エリブリンおよびpembrolizumabの併用療法で
エーザイ株式会社とMerck&Co.,Inc.,Kenilworth, N.J.,U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は3月5日、MRKの抗PD-1抗体「pembrolizumab」とエーザイのマルチキナーゼ阻害剤「レンバチニブメシル酸塩」および「エリブリンメシル酸塩」の併用療法の安全性、忍容性、有効性の評価を目的とする複数の臨床試験での提携を発表した。
実施を計画している臨床試験には、特定の固形腫瘍に対するレンバチニブ、pembrolizumabの併用療法を検討する臨床第1b/2相多施設共同非盲検試験、および転移性トリプルネガティブ乳がんに対するエリブリンとpembrolizumabの併用療法の有効性・安全性を検討する臨床第1b/2相多施設共同非盲検単群試験が含まれる。
これらの試験は、2015年後半に開始予定で、両社は臨床開発業務を管理する共同開発委員会を設立。今回の合意について、財務条件等の詳細は非公開としている。
併用療法の新たな相乗効果に期待
今回提携の対象となっているpembrolizumabは、PD-1(プログラム細胞死受容体1)と、そのリガンドPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害するヒト化モノクローナル抗体。米国では、切除不能または転移性悪性黒色腫に対して承認を取得し、「KEYTRUDA(R)」の製品名で販売されている。
併用療法が検討される予定のレンバチニブは、腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼ(RTK)に対する選択的阻害活性を有する、経口投与可能な新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤。甲状腺がんでの承認を受け、米国では「LENVIMA(TM)」として発売されている。また、もう一方のエリブリンは、新規の作用機序を有するハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤。これまで日本、米国および欧州を含む約60か国で乳がんについて承認され、2011年から「ハラヴェン(R)」として発売されている。
両社は今回の提携により、レンバチニブとpembrolizumab、エリブリンとpembrolizumabの相乗効果を生み出す可能性のある併用療法の探索を行うことで、がんと闘う人々の生活に違いをもたらす治療薬を市場に送り出すことができると期待を寄せている。
▼外部リンク
・エーザイ株式会社 プレスリリース