2015年度第2四半期の初めに米国で販売開始予定
仏サノフィ社は2月26日、1型および2型糖尿病の成人患者の血糖コントロールを改善する1日1回投与の持効型溶解インスリン「Toujeo(R)」(一般名:インスリングラルギン[遺伝子組換え]注射剤、300 U/mL)について、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したと発表した。
同剤は、2型および1型糖尿病の成人患者の血糖をコントロールする治療薬として使用される持効型溶解インスリン製剤。血糖値を下げるために、毎日同じ時刻に1回投与する。現在は、欧州医薬品庁(EMA)をはじめ、世界各地の保健当局の販売承認を待っている状態だ。
今回の承認を受け、同剤は薬剤充填済みのディスポーザブル型ペン型注入器(450単位入り)の「Toujeo SoloSTAR(R)」として、2015年度第2四半期の初めに米国で販売される予定。「Lantus SoloSTAR(R)」と同じ単位数のインスリンを投与するのに必要な注入液量は、その3分の1となる。1回の最大注入用量は80単位であり、米国で基礎インスリンを使用している大部分の患者(1日80単位以下)のニーズに適合している。
ランタスと比較し評価、主要評価項目が達成
今回の承認は、3,500人以上の多様な糖尿病成人患者(1型および2型)において、同剤の有効性と安全性を評価した第3相試験「EDITION臨床試験プログラム」の結果に基づいて行われた。このプログラムは、最長26週間のオープンラベルランダム化実薬対照並行群間treat to target試験および、その後6か月間の安全性を確認するための継続投与試験。1日1回投与のToujeoを、1日1回投与の「ランタス(R)」(一般名:インスリン グラルギン[遺伝子組換え] 注射剤、100 U/mL)と比較し、評価した。
その結果、同剤はランタスと同等の血糖コントロールを示し、主要評価項目が達成された。同剤に関して最も多く報告された有害事象(低血糖症を除く)は、鼻咽頭炎(1型糖尿病例で12.8%、2型糖尿病例で7.1%)と上気道感染症(1型糖尿病例で9.5%、2型糖尿病例で5.7%)だったという。
▼外部リンク
・サノフィ株式会社 プレスリリース