慢性肝疾患患者におけるそう痒症を適応追加申請
東レ株式会社は3月3日、東レが製造販売承認を取得し、鳥居薬品株式会社が日本国内において販売中の血液透析患者におけるそう痒症改善剤「レミッチ(R)カプセル2.5μg」(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)について、国内における慢性肝疾患患者のそう痒症を適応症とした効能追加申請を行ったことを発表した。
また、日本たばこ産業株式会社、鳥居薬品および大日本住友製薬株式会社は、同剤の新適応症を対象としたプロモーションを大日本住友製薬が行うことに合意。鳥居薬品および大日本住友製薬が、このほど、プロモーション契約を締結したことも、あわせて公表した。
慢性肝疾患患者では、皮膚局所での炎症などを伴わない場合でも、全身の強い痒みが生じることが知られている。これには複数の因子が関与すると考えられているが、はっきりとした原因はまだわかっていない。この痒みは従来の治療薬では十分に抑えられないことが知られており、有効な薬剤の開発が望まれていた。
大日本住友製薬とプロモーション契約を締結
レミッチカプセルは、東レが創製した世界初の選択的オピオイドκ(カッパ)受容体作動薬。血液透析患者におけるそう痒症改善剤として、2009年3月より鳥居薬品が日本国内において販売している。同剤は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などとは異なるメカニズムで痒みを抑えることから、既存薬では効きにくい痒みに対しても有効性を示すものと期待されている。
今回の契約に基づき、東レによる同剤の新適応症の効能追加承認取得後、大日本住友製薬は、新適応症を対象とした医療機関への医薬情報提供活動を行い、鳥居薬品は引き続き、東レから同剤の供給を受け、販売および血液透析患者におけるそう痒症を対象とした医療機関への医薬情報提供活動を行うという。
4社は、同剤の新適応症の効能追加承認を取得することで、同剤が慢性肝疾患患者におけるそう痒症治療の新たな選択肢として、治療に大きく貢献できるものと期待を寄せている。
▼外部リンク
・東レ株式会社 プレスリリース