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医学アカデミー薬学ゼミナール、第100回薬剤師国試、必須問題で“足切り”続出―、合格率、新卒70%割れの可能性も

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2015年03月06日 AM10:00


■薬ゼミが自己採点

2月28日と3月1日に実施された第100回薬剤師国家試験は、過去19年で最も低い合格率となった前回と同様、厳しい結果となりそうだ。薬剤師国試予備校大手「」が全受験者を対象に実施した自己採点結果では、平均正答率が66・8%と前回の66・3%を上回ったものの、基礎的な知識を問う必須問題の「物理・化学・生物」で合格基準を満たせずに、足切りとなる可能性がある受験者が非常に多かったことが判明。総点で合格点に達していても、廃問や解なしなどの調整がなければ、多数の不合格者が出る見込み。新卒受験者の合格率は第99回の70・49%を下回り、70%に達しない可能性も出てきた。既卒者の合格率はこの数字を大きく下回るため、受験者全体を含めると合格率50%台という厳しい結果も予想される。

薬ゼミは、薬ゼミ自己採点システムで、3日19時までに採点を行った受験者9066人の入力データから速報結果をまとめた。

正答率は、必須問題が78・6%、理論問題が55・1%と第99回を下回った一方、実践問題が67・9%と約2ポイント上回った。第99回と同様に高い難易度となり、▽基礎力▽考える力▽医療現場での実践力――を問う問題が多く出題された。

特に必須問題では、「物理」が第99回の68・2%から60・2%、「生物」が82%から68・4%と大幅に低下。「化学」も66・4%から56・4%と約10ポイント落ち込み、「物理・化学・生物」では、72・2%から61・9%と厳しい結果となった。

理論問題では、「物理」「化学」「病態」「治療」の難易度が高く、グラフや計算問題や組織図、実験操作とその結果・考察から「考えさせる」問題が多く出題された。中でも構造式に関する問題が多かった「化学」の正答率は、51・8%から35・9%と多くの受験生が苦戦する結果となった。

木暮喜久子学長は、第100回国試について、「第99回同様、問題解決能力や臨床能力を持つ6年制薬剤師に対する期待を感じさせる出題であった。昨年に比べ必須・実践はやや平易、理論はやや難しくなった」と総評した。

薬剤師国試の合格基準は、[1]全345問で総得点65%以上[2]一般問題の各科目の得点がそれぞれ配点の35%以上[3]必須問題全体の70%以上、構成する各科目の得点がそれぞれの配点の50%以上――の三つを満たすのが条件。[3]に関しては、必須問題での「物理・化学・生物」の正答率が約6割にとどまっており、足切りで不合格となる受験者の増加が予想される。

●合格率60%台維持、既卒者の合格率カギに
新卒者の合格率が70%を下回った場合、合格率の低い既卒者も含めれば、全体の合格率は60%を割る可能性は高くなる。昨年の既卒者の合格率は39・85%で、新卒の70・49%よりも約30ポイント低くなっている。

ただ、今回は少し状況が異なるようだ。厚生労働省は、「大学関係者の話だが」と前置きした上で、「前回の国試では、大丈夫だろうという学生が数多く落ちていた」とのエピソードを明らかにした。

大学関係者は、問題の難易度が上がったとされる前回の国試で、合格まであと一歩だった学生が1年間かけてじっくり国試対策を行ってきたのだから、今年の既卒者は大丈夫ではないかと予測しているようだ。

ある厚労省関係者も、既卒者の合格率が上がれば、新卒者の合格率が下がっても全体で60%台は維持できるのではとみている。

医療職種として、国試の合格率50%台は回避したいところだが、そのカギは既卒者の合格率が握っているようだ。

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