プログラムは例年通り、会頭講演、国内外から9題の特別講演、そして受賞講演のほか、シンポジウム(国際創薬1題、国際交流3題、一般70題、大学院生5題)、ランチョンセミナー19題、一般演題3654題(口頭発表1130題、ポスター発表2524題)のほか、市民講演会などを行う。このうち特別講演では、海外の第一線で活躍する著名な研究者8人に加え、国内からは2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏(島津製作所フェロー)を招聘するなど、最新の情報に触れる機会を提供する。
また、今回の薬学会年会では、理事会企画の国際交流シンポジウムとして、米国薬学会および韓国薬学会との交流シンポジウムと国際薬剤師・薬学連合FIPのフォーラムに加えて、新たに「国際創薬シンポジウム“International Symposium for Medicinal Sciences”」を企画している。
同シンポジウムは、大学研究者のみならず、企業の創薬研究者の参加も募り、将来的に薬学会年会が世界の創薬研究者の情報交換の場として機能することを目指し、セッションは全て英語で行われる初の試み。招待ポスタープレゼンテーションとして、日本を代表する製薬企業を中心に、海外からはインド、オランダ、シンガポール、米国からの演題発表も行われる。創薬と育薬の研究者集団として独自の発展を遂げた日本薬学会を世界にアピールする契機となることが期待される。
このほか、年会の参加者を対象に、「神戸医療産業都市」の主要施設を視察する見学会を実施。また、学会関連企画として、29日には大阪市内で「薬学の魅力―伝統医療から貼るワクチンまで」をテーマに市民公開講座も行われる。
学会の参加者は、事前登録段階では約5300人となり、例年並みの参加者数を想定。会期中は、駅と会場間を結ぶシャトルバスを運行する。小林氏は「例年、多くの海外研究者や留学生の参加がある年会は、薬学関係の学術会議としては世界最大級のもので、本年会が参加者に与える新鮮な知識と刺激が世界をリードする新しい薬学研究の方向性の決定に大きく寄与するものと期待したい」と開催に向けた抱負を述べる。