RVOに伴う黄斑浮腫による視力障害の治療薬として
ドイツのバイエル ヘルスケア社は2月26日、「アイリーア(R)」(一般名:アフリベルセプト硝子体内注射液)が、網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫による視力障害の治療薬として、欧州委員会より承認を取得したことを発表した。
アフリベルセプトは、ヒトVEGF受容体1と受容体2の細胞外ドメインの一部をヒトIgG1のFcドメインと融合させた遺伝子組換え融合タンパク質。同製品は硝子体内への投与が可能となるよう等張化された注射液として開発された。
推奨される投与法は、最高視力が得られるまで、または疾患活動の兆候がなくなるまでは 1か月に1回の投与を行い、その後は「treat and extend」と呼ばれるレジメン(徐々に投与間隔を延長しながら安定した視力、もしくは安定した形態学的状態を維持するレジメン)を継続する方法だ。
日本ではmCNV治療薬としても承認済み
今回の承認は、BRVOに伴う黄斑浮腫による視力障害を有する患者を対象とした二重遮蔽、無作為化、比較対照第3相臨床試験であるVIBRANT試験の結果に基づくもの。すでに承認されている網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫に加えて、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)が新たに適応症に加わった形だ。
バイエルヘルスケア社の経営委員会メンバーでグローバル開発責任者のヨルグ・メラー氏はプレスリリースで
「RVOは、最良の視力を得るためには早期かつ継続的な管理が必要とされる慢性疾患です。この新たな治療法により、医師は投与間隔を最大限に延長することが可能になり、各患者さんの治療を個別化することができます。これにより、視力予後に悪影響を及ぼすことなく、患者さん、医師、医療施設の治療負担を減らすことができるのです」
と述べている。
なお、同剤は日本において、病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV)の治療薬としても承認されており、BRVOに伴う黄斑浮腫の患者を対象としたVIBRANT試験の成績に基づき、承認を申請中。米国では、すでにRVOの治療薬としても承認されている。
▼外部リンク
・バイエル薬品工業株式会社 プレスリリース