日本を含む世界16か国、計16,000人を対象とした調査から
ルンドベック・ジャパン株式会社は2月26日、同社デンマーク本社のルンドベック社が日本を含む世界16か国、計約16,000人を対象として実施した「職場でのうつ病の影響調査」の結果を発表した。
画像はプレスリリースより
同社は脳疾患に特化したグローバル製薬会社。世界的に大きな損失を与えるうつ病に対する社会の認識やうつ病経験者の意識などへの理解を深めるために調査を実施したという。
同調査結果によると、日本国内の職場において10人に1人がうつ病と診断されており、休職した場合の期間は平均で79日。世界的に見てもうつ病に罹患している人が16か国14か国は10%を超えており、国際的な問題だとしている。
さらに、多くの人が気分の落ち込みなど気分的な症状をうつ病の特徴・症状と認識していた。一方で、集中力の低下・物事を決められない・忘れっぽいといった業務に直接影響を与えうる症状については、うつ病経験者の6割以上が1つ以上経験しているのにも関わらず、うつ病の症状と感じている人の割合が低いという結果になった。
国際比較で日本のうつ病への対応の遅れが明らかに
うつ病の症状としてあまり認識されていない集中力の低下などの症状は、職場での個人の業績や生産性に直接影響を与えるため、特に就業継続や休職後の職場復帰を支援する際、理解すべき症状といえる。
また、国際比較からは、日本のうつ病への対応の遅れが明らかになった。日本では同僚がうつ病になっていると知っても、「何もしない」人が40%と、調査した16か国中最も高い数値だった。また、同僚に「自分に何か役にたてることはないか声をかける」人も16%と、16か国中、最も少ないことが判明。さらに、自社のうつ病社員へのサポート制度に満足している管理職は、他国と比べ日本は21%と最も低いことからも、企業のうつ病に対するサポート不足が浮き彫りになったといえる。
2015年中には「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が施行されるため、企業のストレスチェック導入義務化は一段と注目を集めている。うつ病に関しても包括的な対策を充実させることが求められる。
▼外部リンク
・ルンドベック・ジャパン株式会社 プレスリリース