産業革新機構と三社共同で出資
JSR株式会社、シミックホールディングス株式会社、および株式会社産業革新機構(以下、INCJ)は2月26日、米国のバイオ医薬品開発・製造受託会社KBI Biopharma Inc.(以下、KBI)を共同で買収することに合意したと発表した。出資比率は、JSRが51%、シミックが5%、INCJが44%となる。
バイオ医薬品市場は、2024年にはグローバルで2500億USドル規模に拡大すると予測されており、その中で製造プロセス開発や製造受託の市場も83億 USドル規模に拡大すると予測されている。今回の買収を通じ、KBIとの業務提携関係を構築することで、JSRグループは戦略事業として進めているライフサイエンス事業におけるコミットメントを強固なものとし、バイオプロセス事業を加速させていくとしている。
アジア各国への展開など事業拡大を促進
KBIは、高度な分析手法開発技術と製造プロセス開発技術を有するバイオ医薬品に特化した開発・製造受託企業で、これまで欧米を中心に事業を展開してきた。今回の買収を通じて、JSRとシミックはKBIの既存事業の更なる成長をサポートするとともに、日本をはじめとしたアジア各国への展開なども視野にいれた事業の拡大を促進していくという。また、シミックは、KBIから技術・ノウハウの導入を図り、同社グループにおけるバイオ医薬品事業の早期立ち上げを目指すとともに、医薬品分析業務を実施している応用医学研究所とKBIとのコラボレーションで、アジア顧客に対する包括的なバイオ医薬品分析サービスを提供することを目指すとしている。
JSRとシミックは、今後成長が予測されるバイオ医薬品製造関連市場に対する取り組みとして、共同で次世代抗体医薬品の設計・製造プロセスとプロセス材料等の開発を進めている。今回、KBIとの提携で、同社を通じてバイオ医薬品関連分野での取り組みの拡大を図っていきたい考えだ。
▼外部リンク
・シミックホールディングス株式会社 プレスリリース