今月になり、大手ドラッグストアのツルハホールディングス子会社「くすりの福太郎」、イオングループの「CFSコーポレーション」で膨大な件数の薬歴未記載事例が発覚。十分に薬剤師を配置せず、薬歴管理が不十分なまま調剤報酬を請求していた不適切事案も明らかになった。
この事態に対して、神田氏は「薬局薬剤師の信頼を失墜するもの」と厳しく指摘。年度末に届け出る総処方箋数を確認し、薬剤師数が適切に配置されているか監視指導の強化を要請した。その上で、2015年度の薬局等の一斉監視指導において、薬剤師の配置を重点事項とする考えを明らかにした。
一方、改正医薬品医療機器等法により、解禁された一般用医薬品のインターネット販売については、「軽微なことだが、ルールを守っていないサイトが見受けられる」と指摘。今月24日現在、不遵守サイトは13まで減少したことを明らかにし、「繰り返し指導しても改善が見られない場合には、改善命令をかけることを検討していただきたい」とした。さらに、実店舗での要指導医薬品の対面販売、一般薬のリスクに応じた情報提供、相談応需などについても、具体的な指導と取り締まりの徹底を要請した。
危険ドラッグ対策については、都道府県等と検査命令と販売停止命令を相次ぎ発動した結果、既に東京と神奈川の4店舗しか販売している実店舗は存在せず、「実店舗はほぼ壊滅」との認識を示した。ただ、神田氏は「デリバリー販売への移行など、流通が巧妙化している」との認識を示し、今後、新たにネット対策と税関と連携した水際対策に取り組んでいく方針を明らかにした。
具体的には、精神毒性が疑われる輸入品への対応として、税関からの情報提供を受け、検査命令を実施。検査命令実施から結果判明までの間、通関手続きを停止し、精神毒性が確認されれば迅速に指定薬物に指定し、輸入を差し止める。
そのため、神田氏は、「特に県境や国境を越えた対策が必要」と強調。「各都道府県が独自に対策を講じる場合には、事前に厚労省に情報提供していただき、都道府県の皆さんと連携しながら取り組んでいきたい」と協力を要請した。