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文部科学省・薬学系人材養成のあり方に関する検討会「新制度の薬学部および大学院における研究・教育等の状況に関するフォローアップワーキンググループ」、国試偏重教育からの脱却を―大学側の自主的な取組み促す

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2015年02月27日 AM10:00


■文科省検討会WGが報告書

文部科学省の「薬学系人材養成のあり方に関する検討会」のもとに設置された「新制度の薬学部および大学院における研究・教育等の状況に関するフォローアップワーキンググループ(WG)」(主査:井上圭三帝京大学副学長)は24日、薬学教育に共通する課題や問題点を整理したフォローアップ状況をまとめ、同検討会に報告した。「国家試験を目指して無事卒業させることに汲々として理念と乖離した教育」からの方向転換を求めると共に、各大学に対して教育の改善充実に向けた積極的な取り組みを促した。また、「入学者の質を下げてでも定員分の学生を確保する現状は大学の信頼を損なう」とし、改善を求めた。

報告書では、「大学の人材養成の質低下は薬学教育全体の評価の低下、さらには医療の質低下につながる恐れがある」と指摘。国試偏重の教育ではなく、「どのような薬剤師、薬学卒業生を育成しようとしているのか」について一貫したポリシーを持ち、「将来的に社会のニーズがどのように変遷していくのか見極めながら全体的戦略を考える必要がある」とした。

大学教育の改善充実については、「まずは各大学が自主的、自立的に取り組む必要がある」とし、こうした取り組みが着実に実行されるよう、「関係団体の役割」にも期待を寄せた。その際には、「設置者側(経営組織)の役割も重要であることを認識すべき」と強調した。

入試については、AO入試など、多彩な入学選抜が行われていることを評価する一方で、「意欲・適性の評価を重視するあまり、学力の確認が軽視されているとの指摘がある」とし、各大学に適切な学力検査の実施を求めた。

また、「18歳人口が減少する中、入学者の質を下げてでも、経営の観点から定員分の学生を確保しようとする現状があるという指摘もある」とし、「このような現状は公教育を行う機関である大学の信頼を損なうもので、改めなければならない」と非難した。

野木森雅郁委員(アステラス製薬会長)は、国試の合格率が低い上に、多くの留年者を出している大学が「固定化している」ことを問題視。そうした大学に対しては、文科省が個別に改善指導を行うべきとの考えを示した。

勝野眞吾委員(岐阜薬科大学長)は、国公立大学でも医師を養成している医学教育とは異なり、薬学教育は薬剤師養成の大部分を私立大学に依存している点に触れ、「この部分の問題も見ていく必要がある」と述べた。

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