■長谷川氏が報告
名城大学薬学部の長谷川洋一氏は22日、都内で講演し、「薬局の求められる機能とあるべき姿」で掲げられている“健康情報拠点に資する薬局”のあり方を調査・検討するため、500薬局を対象に実施したアンケート調査の結果を示した。要指導薬や一般薬の取り扱い状況、相談対応の実績などを調べた結果、一般薬の取り扱い品目数は、1~100未満の薬局が半数強を占め、相談対応を行った人数も0~10人未満の薬局が45%を占めていた。医療機関や行政などへの受け渡しを行った延べ人数も0人の薬局が6割近かった。長谷川氏は、健康情報拠点薬局の役割について、「医療面での取り組みを基本としつつ、これまで以上に地域住民の健康保持・増進に重点を置く」ことを強調し、「かかりつけ医を中心とした多職種連携に資するものにすべき」との考えを示した。
調査は、日本薬剤師会の認定するセルフメディケーション・サポート薬局と保険調剤・サポート薬局(各500施設)を対象にアンケート調査を行い、計500薬局から回答を得た。
要指導薬・一般薬の1薬局当たりの取り扱い品目数の平均値は173品目、中央値は72品目で、1~100品目未満が257薬局で最も多かった。しかし、100~200品目未満では59薬局、200品目以上300品目未満になると43薬局に減った。
衛生材料や介護用品などの健康関連グッズを揃え、医療機関や介護施設につないでいくことも重要な役割となるが、衛生材料・介護用品の1薬局当たりの取り扱い品目数の平均値は74品目、中央値33品目で、0~100品目未満の薬局が398施設で6割以上を占めていた。
過去半年間に相談対応した薬局利用者の延べ人数は、平均値124人、中央値10人だったが、0人の薬局が25%で最も多かった。次に多かったのは1~10人の20%だった。
また、医療機関や行政などと連携して受け渡しを行った薬局利用者の延べ人数は、平均値2・3人、中央値0人で、6割の薬局は0人だった。
アンケート結果を踏まえ、長谷川氏は、「健康情報拠点という部分に視点を置くと、あるべき姿で示されている機能に取り組んでいくことも大切だが、医療面での取り組みを基本としつつ、地域住民の健康保持・増進により重点を置くものとして、果たすべき機能を医薬品の適正使用・健康相談応需、かかりつけ医を中心とした多職種連携に資するものに位置づけていくべきではないか」との結論をまとめた。