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VKの消化吸収メカニズムとNPC1L1阻害剤によるワルファリンの作用増強を解明-東大病院

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2015年02月24日 PM01:00

コレステロールの吸収担うトランスポーターがVKの吸収も担う

東京大学医学部附属病院は2月19日、同院薬剤部の高田龍平講師、山梨義英助教、小西健太郎大学院生(当時)、 鈴木洋史教授らグループが、コレステロールの吸収を担うトランスポーターであるNPC1L1がビタミンK(VK)の消化管での吸収も担うことを世界で初めて見出したと発表した。


画像はプレスリリースより

血液の凝固を活性化する作用を示すビタミンとして古くから知られているVKは、骨粗しょう症や動脈硬化症の予防・治療に効果があることが報告されるなど、近年注目を集めているが、その消化管での吸収メカニズムについては未解明のままだった。また、脂質異常症の治療薬として使用されているNPC1L1阻害剤「」は、抗凝固薬のワルファリンと併用されると、ワルファリンの作用を増強することが報告されていたが、これまでその機序は不明だった。

VK吸収の大部分がNPC1L1依存性・エゼチミブ感受性経路によるもの

今回、研究グループは–、NPC1L1により VKが細胞内に取り込まれるか否かを検討するため、NPC1L1を発現させた培養細胞を用いてVKの輸送実験を行った。その結果、NPC1L1を発現させた細胞は、対照群の細胞と比べて約4倍のVK取り込み活性を示した。また、このVK輸送がエゼチミブにより阻害されたことから、NPC1L1がエゼチミブ感受性のVK取り込みを担うことが示されたという。

そこで、マウスを用いてVKの消化管吸収に対するNPC1L1の生理的役割を検討した結果、NPC1L1遺伝子を欠損したマウスのVK吸収量は、対照群である野生型マウスと比較して約75%も減少していた。また、野生型マウスにエゼチミブを投与すると、NPC1L1遺伝子欠損マウスと同程度にまでVK吸収量が低下。これらの結果から、生体におけるVK吸収の大部分がNPC1L1依存性・エゼチミブ感受性経路によるものであることが明らかとなったという。

同研究の成果は、VKの体内動態制御メカニズムのさらなる解明や、ビタミンの吸収変動を考慮した適切な薬物治療・薬用量設定に貢献するものと期待される。

▼外部リンク
東京大学医学部附属病院 プレスリリース

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