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医療機関と行政の連携による透析予防の先進事例とは

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2015年02月19日 PM02:00

患者1人当たり年間約500万円!透析導入による医療費圧迫

・ノルディスクファーマ株式会社は、「急がれる糖尿病腎症重症化予防への取り組み」をテーマに東京でプレスセミナーを開催。千葉県病院局理事・千葉県循環器病センター理事の平井愛山先生が、糖尿病腎症における透析予防と地域連携について講演した。


千葉県病院局理事・千葉県循環器病センター理事
平井愛山先生

急激な高齢化が進む日本において、国保の赤字問題は深刻化し、透析による医療費増は財政圧迫の原因のひとつとなっている。透析患者数は年々増加しており、透析導入に至ると健康保険団体が治療費を全額負担することになり、その額は患者1人当たり年間約500万円。また新規透析導入に至る原因疾患の第1位は糖尿病腎症であり、その割合は43.8%を占める。こうした背景から政府は、2013年から糖尿病の重症化予防すなわち透析予防を、国民の健康増進を図るための優先課題のひとつに挙げている。

平井先生は、「厚生労働省は、医療と行政(保険者)の連携協働、新たな連携ワークフローの構築、臨床エビデンスに基づく新たな臨床ワークフローを構築し、全国へ横展開していくことを、糖尿病重症化予防の方針としています」と解説。平井先生はこうした国の方針を踏まえ、「地域医療を守るためには、医療と行政の連携による地域ぐるみでの取り組みが重要」と語り、糖尿病透析予防指導管理の3本柱を提言。疾病管理MAPを活用し、1~2年以内に透析導入の可能性が高い患者をスクリーニング。スクリーニングには、基本的な検査値であるHbA1c、eGFR、尿中アルブミン、尿蛋白を測定する。そうしてスクリーニングされたハイリスク患者に対し、多職種協働で作成した透析予防指導ツールと透析予防指導ワークフローを活用して、徹底的に指導・介入を行うという。

そのポイントは、「従来のエネルギー・HbA1c中心の指導から減塩・血圧正常化の指導にテーマを絞ることです。実践のコツとしては、患者にわかりやすい減塩表など絵を用いた指導を、短時間・頻回に行うことが重要です」と強調した。

地域ぐるみで生活に根ざした指導を実践

次いで、看護師・保健師の埼玉県皆野町役場健康福祉課 梅津順子氏が、医療機関と行政の連携協働の枠組みとアウトカムについて紹介した。

まずは同じベクトルで関わるために、「指導ツールや情報共有ツールを協働で作成し、連携協働のワークフローづくりを行いました。保健師の在宅訪問では、患者の治療を困難としている原因がより明確化され、相手の生活の場での繰り返しの減塩・飲水指導が行動変容に結びつくことがわかりました」と梅津氏。

そして、2年以内の透析導入が避けられない糖尿病腎症3b期以降のケースに介入、医師がGLP-1受容体作動薬リラグルチドを導入後、協働で療養指導を行い、eGFRの急速な低下を阻止することができた症例を紹介。地域ぐるみで生活に根ざした指導を実践することは、糖尿病の重症化予防に有用であることが示された。「職域を越え、複数の職種が共に学び、同じミッション・ツール・ワークフローを共有することで、真の『協働』となります。地域が一丸となって取り組むことが大切」と締めくくった。

▼外部リンク
ノボ・ノルディスクファーマ株式会社

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