使用成績調査からリスク因子が明らかに
厚生労働省医薬食品局は2月17日、抗ウイルス剤「テラビック」(一般名:テラプレビル)において、使用成績調査中間集計から、安全性に関してリスク因子が明らかになったことから、添付文書の改訂を指示した。
同集計により明らかになったリスク因子は以下の2点。
- 高齢者、投与前の血清クレアチニン値高値、高血圧及び糖尿病は、重篤な腎機能障害の発現に、統計的に有意なリスク因子である。
- 同剤開始投与量2,250mg/日は、2,250mg未満/日と比較して、重篤な腎機能障害の発現に統計的に有意なリスク因子である。
これを受け、製造販売元の田辺三菱製薬株式会社は、同剤の開始投与量を減量することで重篤な腎機能障害発現率を低下させることができると考えられるため、本剤の開始用量の減量を考慮する旨、さらに、同剤の開始用量を減量した際、有用性が低下する可能性があり、リスクとベネフィットを十分に考慮したうえで減量する旨を添付文書に追記した。
また、同社では医薬食品局の通知によらない改訂として、「高齢者への投与」の項に、高齢者が重篤な腎機能障害発現のリスク因子であることから、他のリスク因子と同様に高齢者で重篤な腎機能障害の発現リスクが高くなることが示唆されていること、「慎重投与」の項に、重度肝機能障害(Child−Pugh C)患者における薬物動態についての海外の臨床試験成績を追記した。