7日に都内で開かれた日本薬剤師レジデントフォーラムで、同機構の武立啓子氏が示した。日本の薬剤師レジデント制度は、2002年に開始され、昨年には40施設まで拡大している。レジデントプログラムのコースは、米国のレジデント制度を参考に、1年目は臨床活動全般を学び、2年目に専門能力を高めるコースが多く見られている。ただ、薬剤師レジデントの研修プログラムは、各施設が独自に作っているため、統一性に欠け、質が保証されていない内容となっており、研修プログラムの標準化と質の保証が求められていた。
先行する米国では、1962年に米国医療薬剤師会(ASHP)がレジデントプログラムの認証を開始。設定した基準を満たしているか評価し、プログラムの質向上、一定基準を確保することで、社会的な説明責任を果たしてきた。
武立氏は「米国では長い歴史があり、認証基準も細かく設定されているが、日本で認証を行う場合は、日本の実情に合った形とすべき」との考えを述べ、レジデントプログラムの認証基準案を示した。基準案は、同機構が第三者の立場で考えた認証基準のあり方で、プログラム(制度)の目的と理念、研修計画(コースと期間等の研修概要、研修領域および領域別の研修期間、到達目標、方略)、指導体制(プログラム責任者および指導薬剤師の要件、役割とその育成)、研修評価(評価時期、評価方法等)、管理運営体制を評価するとした。特に研修評価では、修了認定とその評価基準を項目に位置づけ、評価委員会を設置すること等を盛り込んだ。
同機構によるレジデント制度の認証は、あくまで一定水準の質を担保したプログラムであることを保証するもので、各施設のレジデント制度に第三者認証を与える形となる。実際のプログラムの内容と運用については、各施設独自の工夫に委ねるとしている。
武立氏は、日本レジデント制度に求めることとして、「理念と位置づけを明確にしてもらうことが重要」と指摘。今後、レジデント修了者の薬剤師としての付加価値、学んだ薬剤師が報われる環境作りが課題になるとした。