骨粗鬆症を予定適応症として、大正製薬と共同開発
中外製薬株式会社は2月10日、骨粗鬆症を予定適応症として大正製薬株式会社と共同開発を行ってきたビスホスホネート系骨吸収抑制剤(一般名:イバンドロン酸ナトリウム水和物)経口剤について、製造販売承認申請を厚生労働省に行ったことを発表した。
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国内の骨粗鬆症の患者数は現在約1,280万人以上と推定されている。その治療目的は、骨折による寝たきりを予防し、患者のQOL維持・改善を図ることであり、骨量を増やして骨折の発生を抑制する薬剤が求められていた。
そこで同社は、ビスホスホネート製剤のアドヒアランスの向上と、患者の状況に合わせた投与経路の選択を可能にする新たな骨粗鬆症治療薬として、同剤ならびに「ボンビバ(R)静注1mgシリンジ」(一般名:イバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤)の開発を進めていた。先行して開発を行った「ボンビバ静注」は、「骨粗鬆症」を効能・効果として2013年6月28日に中外製薬が製造販売承認を取得。同年8月29日より大正富山医薬品株式会社と共同販売を行っている。
ボンビバ静注と同様の効果、安全性を確認
今回申請を行ったのは、スイスのF. ホフマン・ラ・ロシュ社が開発したビスホスホネート製剤。国内で実施された第3相臨床試験において、骨粗鬆症の患者約400名を対象に、月1回投与の同剤の有効性および安全性について、「ボンビバ静注」を対照薬として検討した。その結果、主要評価項目である12か月目の腰椎の骨量増加において、対照薬である「ボンビバ静注」に対して同剤の非劣性が証明された。腰椎以外の大腿骨の骨量増加や骨代謝マーカーの抑制効果も2群間で同様の効果を示したという。
また、安全性については、国内外において「イバンドロン酸ナトリウム水和物」でこれまでに報告されている範囲内のものであり、忍容性も確認された。結果の詳細は、論文および学会等で発表する予定としている。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース