重篤な皮膚障害が発現し、死亡に至った症例が4例
厚生労働省は2月4日、抗てんかん薬・双極性障害治療薬「ラミクタール錠」(一般名:ラモトリギン)について、重篤な皮膚障害が発現し死亡に至った症例が4例報告されていることを受けて、添付文書の「警告」を改訂するとともに、「安全性速報(ブルーレター)」により、医療関係者等に対して速やかに注意喚起を行うよう、グラクソ・スミスクラインに指示したと発表した。
2014年9~12月の間に、同剤との因果関係が否定できない重篤な皮膚障害が発現し、死亡に至った症例が4例報告されている。これら4例は、いずれも用法・用量が守られていない症例で、皮膚障害の発現後、重篤化するまで同剤の投与が中止されていない症例だった。また、これらの症例を含めて、2008年12月の販売開始以降、同剤の投与により、重篤な皮膚障害が発現し死亡に至った症例が16例報告されている。
用法・用量の遵守を徹底
厚生労働省では、医療関係者に対する注意喚起のポイントといて以下の4点を挙げている。
- 皮膚障害の発現率は、定められた用法・用量を超えて投与した場合に高いことから用法・用量を遵守すること。
- 発疹発現時には早期に皮膚科専門医に相談し、適切な処置を行うこと。また、発疹に加え、発熱、眼充血、口唇・口腔粘膜のびらん、咽頭痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹等の症状があらわれた場合は、直ちに本剤の投与を中止すること。
- 重篤な皮膚障害の発現率は、小児において高いことが示されているので、特に注意すること。
- 患者又は家族に対し 、皮膚障害の初期症状があらわれた場合は直ちに受診するよう指導すること。
ラミクタールは2008年12月12日に販売開始。2014年末までの推定使用患者数は約37.6万人とされている。
▼外部リンク
・厚生労働省 報道発表資料
・安全性速報「ラミクタール錠小児用 2mg、5mg、ラミクタール錠 25mg、100mg による重篤な皮膚障害について」