研究開発資源の最適投資を行う観点から
武田薬品工業株式会社は2月2日、日本で臨床第2相試験を終了していた「TAK-361S」について、自主的に開発中止を決定したと発表した。
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TAK-361Sは、沈降精製百日せきジフテリア破傷風ワクチンにセービン株不活化ポリオワクチンを混合した4種混合ワクチン。今回の決定は、公衆衛生上重要なワクチンに対し研究開発資源の最適投資を行う観点から、ワクチンポートフォリオを見直した結果によるものとしている。
今後同社は、ノロウイルスワクチン、デング熱ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン、エンテロウイルス71ワクチン(手足口病に対するワクチン)など、アンメットメディカルニーズの高いワクチンの日本およびグローバルでの開発に注力としている。
アンメットメディカルニーズの高いワクチンの開発に注力
2012年にグローバルなワクチン部門を設立して以来、同社は世界の公衆衛生に対する取り組みを強化。アンメットメディカルニーズが高く、かつ日本政府により最優先課題として位置づけられているノロウイルス感染症予防のための最も開発ステージが進んだワクチンの開発や、昨年日本でもおよそ70年ぶりに多数の感染者が報告され、世界の人口の約40%が暮らす国や地域において感染の危険性が高いデング熱に対するワクチンの開発を進めている。両ワクチンについては、2015年から2016年にかけてグローバルにおける臨床第3相試験を開始する予定としている。
また、2014年に細胞培養技術を用いて製造する新型インフルエンザワクチンの製造販売承認を取得するとともに、現在、細胞培養季節性インフルエンザワクチン(開発コード:TAK-850)の臨床第1/2相試験を実施中。ヒブワクチン(開発コード:TAK-816)についても2013年に製造販売承認を申請している。
▼外部リンク
・武田薬品工業株式会社 プレスリリース