厚生労働省は、臨床研究や治験の倫理性と安全性、科学的妥当性を判断する倫理審査委員会(IRB)の認定制度を3月にもスタートさせる。日本でIRBの設置が1330件と乱立し、審査の質にバラツキが生じていることが問題視されてきたが、国が適切に審査を行うことのできるIRBを認定することで、質の高い機関とそうでない機関を差別化し、全体の底上げを目指す。認定は無料。21日まで申請を受け付け、臨床研究に詳しい専門家が集まる有識者委員会の審査を経て最終的に認定する。
日本の倫理審査委員会をめぐっては、本来チェック機能を果たすべき審査が形骸化し、被験者の安全や人権保護につながっていないこと、臨床研究不正の歯止めにならなかったことが厳しく指摘されてきた。また、昨年3月現在でIRBの設置が1330件に上り、質にバラツキのあるIRBが乱立していることにも問題意識が示されてきた。