東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターらと共に
国立がん研究センターは1月29日、国際共同ゲノムプロジェクト「国際がんゲノムコンソーシアム」(International Cancer Genome Consortium:ICGC)において、胃がんと胆道がんのプロジェクトを新たに立ち上げたと発表した。
画像はプレスリリースより
2008年に発足した「国際がんゲノムコンソーシアム」には、現在、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、南北アメリカの17か国が参画し、73のがん種についての大規模ゲノム研究プロジェクトが精力的に遂行されている。
日本では、国立がん研究センター、理化学研究所、東京大学が共同で、肝細胞がんを対象としたプロジェクトを実施。今回始動する胃がん、胆道がんのゲノムプロジェクトは、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター並びに東京大学先端科学技術研究センターと連携し進めていくという。
ゲノム解読によって有効な治療開発に期待
胃がんは日本において罹患数が最も多いがん種であり、同プロジェクトでは組織型・疫学的背景を踏まえた大規模なゲノム解析を行うことで、分子治療・診断開発を目指した日本人特有のゲノム異常の同定や、ヘリコバクターピロリ菌感染以外の発がん要因の解明を目指す。
胆道がんはすい臓がんに続く難治ながんであり、日本を始めとする東アジアで特に頻度が高い。近年では、印刷業従事者を中心に胆道がんが多発し大きな社会問題にもなっており、国立がん研究センター研究所においてもこれまで積極的に研究を進めてきた。
同プロジェクトの開始により国際協調のもと、日本においてはアジアで多くみられる3つの難治がん種について包括的なゲノム解読を行い、有効な治療や予防のための臨床開発と、さらなる国際貢献を目指していくとしている。
▼外部リンク
・国立がん研究センター プレスリリース