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iPS細胞などを用いた臓器再生に関する基本特許が成立−東大

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2015年02月02日 PM04:00

株式会社iCELLが独占的実施権を保有

東京大学は1月28日、iPS細胞などを用いた臓器再生に関する特許が特許査定を受け、1月13日付で登録料を納付したと発表した。この特許は、同大学が出願人となり複数の特許出願を行ってきた、「動物体内にヒト臓器を作製する技術」に関するもの。研究は、同大医科学研究所の中内啓光教授らが行っていた。


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登録料の納付日より2週間程度で、特許庁において特許が成立する。なお、同特許については、株式会社iCELLが独占的実施権を保有することとなる。同特許の出願番号は、特願2014-188113。発明の名称は、「iPS細胞などの多能性細胞とBLASTOCYST COMPLEMENTATIONを利用した臓器再生法」である。

臓器作製技術の実用化に重要な関連特許も査定

臓器不全症の治療には、臓器移植や人工臓器が主に用いられているが、ドナー不足や生体適合性など問題点が多く、移植可能な臓器を患者自身の細胞から作る再生医療が注目されている。しかし、臓器のような三次元的な構造を成体外で再現することは極めて困難とされていた。

今回の特許は、「BLASTOCYST COMPLEMENTATION(胚盤胞補完法)」という技術を用いて、ヒトとは異なる動物の個体に、ヒトの臓器を作らせるという方法を提供するもの。具体的には、目的とする臓器ができないように操作した動物の胚盤胞に、iPS細胞など正常な多能性細胞を注入し、これを仮親となる動物の体内に戻し成長させ、目的とする臓器が多能性細胞由来の細胞だけからなる臓器を作製する技術である。さらに同特許では、このような臓器作製方法に加えて、作製された臓器や動物に対しても権利が及ぶとされる。

また、同技術を実用化する上で重要な関連特許も同時に査定を受けている。関連特許の出願番号は、特願2009-554423で、発明名称は「遺伝子改変による致死性表現型を持つ動物の繁殖用ファウンダー動物作製法」である。いずれの独占的実施権もiCELが保有し、特許に関連するその他の技術の権利化・特許の維持ならびに同技術の普及を目指していくという。

▼外部リンク
東京大学 記者発表

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