特定機能病院などの大病院では、慢性疾患患者に対して長期処方が行われることが多く、これが薬剤の飲み残しにつながり、医療費を押し上げている要因の一つになっていると考えられている。
そのため厚生労働省は、昨年1月に中医協がまとめた14年度診療報酬改定の骨子に、特定機能病院などで長期処方された薬剤を原則として薬局が分割調剤し、2回目以降は主治医との連携のもとで必要量を調剤して残薬を減らす対応を試行的に導入することを提案した。
しかし、複数の医師委員から、「飲み残しがあるのであれば、主治医に言って量を減らすべき」「薬剤師が法的責任を持てるのか」など、慎重な意見が相次ぎ、導入が見送られた経緯がある。
分割調剤の導入は、次期改定までの宿題となり、14年度改定答申の附帯意見に「残薬確認の徹底と外来医療の機能分化・連携の推進等のため、処方医やかかりつけ医との連携を含めた分割調剤について引き続き検討すること」との文言が盛り込まれた。
この日の総会では、15項目の附帯意見のうち、分割調剤やICT(情報通信技術)を活用した医療情報共有の評価のあり方など、横断的な議論が求められる事項については、まずは基本問題小委員会で議論した後、総会で議論することを確認した。
また、総会では次期診療報酬改定に向けた検討の場のあり方についても議論した。
中医協は昨年、総会の前に、特定の事項についてあらかじめ意見調整を行う基本問題小委員会で議論し、検討が必要な案件については総会に場を移して議論を深める仕組みを復活させたが、総会と基本小委では重複する委員が多いことから、次期改定の議論を効率的に行う観点から、原則として総会で議論を進めることが了承された。
ただ、DPC評価分科会や医療技術評価分科会など、診療報酬調査専門組織で議論されたものについては、基本小委で議論した上で、総会でも議論を行う。