女性の骨粗しょう症患者515名を対象に
日本イーライリリー株式会社は1月23日、60歳以上の骨粗しょう症患者女性515名を対象としてインターネットで行った、骨粗しょう症に対する意識・実態調査の結果を発表した。
画像はプレスリリースより
現在、日本の骨粗しょう症推計患者数は約1280万人と言われている。骨粗しょう症患者には骨折リスクがあり、一度骨折すると次の骨折を引き起こすリスクがさらに高まる。これが寝たきりの主な要因の一つになることから、 早期発見・治療が重要な疾患とされている。しかし、自覚症状がない場合も多く、実際に治療を受けている患者数は200万人程度にとどまっているという問題がある。
骨粗しょう症のサイン、骨折に気付かぬ実態に
今回の調査では、「過去に骨粗しょう症による骨折経験があるか」との質問に対し、4人に1人(23.8%)に骨折経験があることが判明。また、骨折経験があると回答した人に「初めて骨粗しょう症による骨折をした際、すぐ骨折したと気付いたか」と聞くと、2人に1人(56.6%)が、骨折に気付かなかったことが分かった。しかしながら、「骨折によって寝たきりになってしまうことへ不安があるか」という質問には、75.9%があると回答。60歳以上の女性骨粗しょう症患者の多くが、骨折による寝たきりに不安を抱いているようだが、実際には骨折しても気づかないことが多いということが判明した。
さらに、60歳以上女性骨粗しょう症患者の20.0%が「背中の曲がりがあった」、79.0%が若いころより「身長が縮んだ」、60.8%が「腰痛があった」と回答。それでも、骨粗しょう症を疑って受診をしたのは14.2%にとどまっていた。
また、「骨粗しょう症で医療施設を受診する前に、腰痛があったか」と聞くと、60.8%が「あった」または「どちらかといえばあった」と回答。しかし、その内の2人に1人(49.1%)は、まず整形外科などの専門医を受診しなかったと答えている。約半数の患者は、腰痛があっても専門医を受診していなかったという実態が明らかになった。
「背中の曲がり」や「背の縮み」、「腰痛」は、もっとも頻度の高い骨粗しょう症性骨折である椎体骨折の代表的な臨床症状とされる。このような症状があると、骨粗しょう症による骨折の可能性が考えられるが、こうしたサインに気付いていない60歳以上女性骨粗しょう症患者が多いと判明した。 同社は、潜在患者の中でも、特に骨粗しょう症による脆弱性骨折を持ちながら未治療である患者に対して、背中の曲がり、背の縮み、腰の痛みなどの症状が、骨粗しょう症による骨折であるかもしれないという認識を高めたいとしている。
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・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース