ベンチャー企業支援プログラム「SUCCESS」による出資
科学技術振興機構(JST)は1月20日、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)の第1号案件として、スリープウェル株式会社からの第三者割当増資を引き受けることを決定したと発表した。
画像はプレスリリースより
JSTは平成26年4月からJSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対し、JSTが出資並びに人的及び技術的援助を行う「出資型新事業創出支援プログラム」(Support program of Capital Contribution to Early-Stage Companies、略称:SUCCESS)を開始。同事業はベンチャー企業の創出及び成長を促進し、JSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としている。また、出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」を狙っているという。
小型睡眠脳波計の開発および睡眠計測サービスを提供
今回出資が決定したスリープウェルは、JSTの平成19年度独創的シーズ展開事業大学発ベンチャー創出推進において「睡眠脳波計測と睡眠評価技術の確立及び評価システムの構築」として採択され、その研究開発成果を元に、平成22年4月に設立したベンチャー企業。
同社は、睡眠の改善に向けた機器や薬剤、食品などを開発する企業から受託し、開発した1チャンネルの小型脳波計(医療機器として認証取得済み)を用いて取得したデータから「睡眠の質」を評価する事業を行っている。1チャンネルの小型脳波計は、操作やデータ取得が簡易であることから、今後は解析の自動化を進め、企業健診や人間ドックなどの事業展開に取り組んでいく予定。さらに、睡眠障害の診断や睡眠との関連が深いとされる精神疾患の診断の補助ツールとして医療領域に事業展開を図る計画だという。これらの事業により、快適な睡眠環境の獲得やメンタルヘルスケアの良質化、QOLの向上に貢献することが期待される。
SUCCESSは今後も、JSTの研究開発成果を実用化しようとするベンチャー企業に対して、成長資金の供給や関係機関のネットワークを活用したサポートを提供し、実用化を通じた先端技術の社会への還元を進めていきたいとしている。
▼外部リンク
・科学技術振興機構 プレスリリース