吉野氏は昨年を振り返り、「日本再興戦略をはじめとする政府方針や法律の中でセルフメディケーションの推進に関するものがいくつも盛り込まれ、国策として取り上げられた」と指摘。「今年は、そうした追い風を受けて、セルフメディケーションを一気に加速させていきたい」と述べた。
15年度の事業活動に関しては、「大きなテーマは、OTC薬産業グランドデザインの実践」との考えを提示。「グランドデザインは新規需要創造、既存市場活性化、グローバル展開の3分科会を設置し検討。昨年秋に素案まで取りまとめている。現在は素案に基づき、10年後のOTC薬産業のあるべき姿が実現できるように、関係する行政、団体、有識者の議論を進め、関係者との共有化を図りながら具体化していきたい」とした。
さらに、「とりわけアクションプランについては、分科会の意見を踏まえた上で適宜修正や表現の見直し等を行っている。その上で、一緒に基本戦略に協力してもらえるカウンターパートナーを選び、実戦に向けた工程表の作成に取りかかっていきたい」と説明。「今年は、そのカウンターパートナーとの協力体制整備を早期に行い、協会の委員会、部会、プロジェクト等との役割分担を行った上で、5月の総会をメドにグランドデザインならびにそれによる10年後のあるべき姿を内外に公表できるように準備を進めている」と語った。
また、15年の重点活動の一つとして掲げた「一般薬等に関する所得控除制度の創設」については、同協会副会長で日本一般用医薬品連合会会長の上原明氏(大正製薬ホールディングス社長)が詳細を解説した。
その中で上原氏は、16年度税制改正大綱の検討項目の2番目にOTC薬所得控除制度が盛り込まれていることに触れ、「2番目まで優先度を上げてきた」と指摘した。その上で、「制度を導入するためには、さらなる詰めが必要だとされている」とし、▽レシートの発行の仕方▽生活者自身の申告方法の周知徹底▽メーカー側の対応▽納税のチェックの仕方――などについて、日本チェーンドラッグストア協会等の小売の立場や薬剤師会、医師会等とのさらなる話し合いの必要性などを挙げると共に、「今年は、そうした作業を行い、さらに詰めていきたい」とした。